デジタルトランスフォーメーション(DX)が進化する中、全業種の企業から集まった現場DXアワード2024の受賞企業が、どのようにして業務改善を果たしたのかを紹介します。これらの成功事例は、今後のDX推進に向けた具体的な指針となるでしょう。
現場DXアワード2024は、株式会社カミナシが主催し、工場や店舗など多様な現場において卓越したDXの取り組みを表彰するイベントです。このアワードは、デジタル化の成果を広く公表することで、他の企業の参考となり、DXの普及を促すことを目的としています。2024年の開催は特に、『カミナシ レポート』を利用する企業に焦点を当て、「推進力」「成果」「汎用性」の3つの視点から優れた取り組みを評価しました。最優秀賞に輝いたのは、愛知県に本社を構える株式会社ナニワです。同社は、食品の安全性を確保するために必要な紙帳票の管理をデジタル化し、業務時間を年間500時間削減しました。従業員の労務負担が軽減され、コストも180万円削減。その実績は、他の部署へのデジタル化推進の道を開くものとなりました。
若手活躍賞を受賞したロイヤル株式会社は、特に新卒社員が中心となり、現場の負担を軽減するために『カミナシ レポート』を活用しました。導入後は約8か月で月1,450枚の紙帳票を削減し、現場からの自主的な改善提案が増えるなど、社員の意識改革にも貢献しました。さらに、プロジェクト推進賞を獲得したファウンテン・デリ株式会社は、特に外国人従業員が多い点を活かし、動画マニュアルを作成することで業務理解度を深め、事故件数をゼロにする成果を上げました。効率よく働くことにより、残業時間を減らし、その余剰時間をスキル向上に充てることにも成功しています。
現場DXアワードは、企業のDX導入における試行錯誤や成果を示し、他の企業にも鼓舞する役割を果たしています。現場の声を大切にしながら進められたこれらの取り組みは、DX化を通じて企業の成長だけでなく、従業員の労働環境を向上させる重要な鍵となります。各受賞企業の事例は、今後のDX推進の参考になるだけでなく、企業文化の変革にも寄与することでしょう。業務効率化、現場の幸福度向上、そして持続可能な企業成長への道筋が明らかになる中、DXの未来は期待されています。
レポート/DXマガジン編集部齋藤