経理・総務部門は企業の影の支えであり、行う業務は多岐にわたります。これまでの10年間で、さまざまな環境の変化がこの部門にも影響を与えました。特に、テクノロジーの進化は経理業務に革命をもたらし、ペーパーレス化や業務の自動化はもはや選択肢ではなく必然となっています。ここでは、ピー・シー・エー株式会社が実施した勤続10年以上の経理・総務担当者106名への調査結果をもとに、近年の業務環境の変化を考察します。
ピー・シー・エー株式会社は2024年9月27日から9月29日にかけて、「ベテラン経理・総務担当者の業務実態調査」を実施しました。この調査では、106名の勤続10年以上の経理・総務担当者に対して、業務に関する質問が行われました。特に、業務内容や職場環境の変化についての実感が注目されています。調査結果を分析することで、これまでの変化と今後の展望が見えてくるでしょう。
調査結果によると、経理・総務担当者の51%が「変化がほとんどない」と感じている一方で、31.2%は「改善されている」と回答しました。このことから、現在の業務に対する混乱と安定の両面が浮かび上がります。
特に印象的なのは、経理業務のデジタル化やテクノロジーの導入によって、ペーパーレス化が進んでいるという結果が示されたことです。約70%の担当者が「ペーパーレス化」を業務環境の改善要因として挙げており、これは業務の効率化に寄与していることが分かりました。33.3%が「業務の自動化」を挙げ、その効果として業務が効率化されていることが実感されています。このような業務の効率化は、バックオフィス業務の負担軽減につながり、さらに時間の有効活用を可能にします。特にコロナ禍以降、リモートワークの導入は急速に進みました。47%の担当者がリモートワークの導入を業務改善の一因として挙げており、これにより業務のフレキシビリティが向上しました。在宅勤務を取り入れることで、家庭の都合に合わせた働き方が実現でき、生活全般におけるストレスの軽減が期待されます。
一方で、調査結果には「悪化している」と感じる人も7.5%いるなど、全てが好転しているわけではありません。特に法制の変更や新しい規則によって、業務が複雑化することもあります。法制面での変更に対して、柔軟に対応できる体制を整えることが今後の課題です。今後、経理・総務部門はテクノロジーの進化と連携し、さらなる効率化を実現することが求められます。業務のデジタル化は続き、さまざまなツールやシステムが登場することで、業務の負担軽減が期待されています。そして、人材の育成や新しい働き方の導入も必須です。
今回は、ピー・シー・エー株式会社の調査データをもとに、経理・総務部門の10年間にわたる変化について探りました。ペーパーレス化や業務の自動化が進む中で、集中的な働き方や職場環境の改善が求められています。これからの経理・総務業務は、ますます進化し続けることでしょう。
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ピー・シー・エー株式会社
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執筆:小松由奈