NECは、業界のDX化を加速するため、次世代ファクトリコンピュータ「FC98-NXシリーズ」から新たに「FC-R03W」と「FC-R03T」を発表しました。これらの新製品は、特に製造業におけるデジタル変革ニーズに対応するために設計されており、性能は従来機種と比較して大幅に向上しています。従来比最大約1.8倍の処理性能を実現しており、大容量データのリアルタイム処理が可能なシステムとして期待されています。
製造業界では、スマートファクトリの導入が進む中、装置やセンサーからのデータ収集、可視化、さらにはAIを活用した分析や制御の需要が急速に拡大しています。そのため、NECの新製品は、これらの要求に即座に応えることができるように強化されています。例えば、上位機種の「FC-R03W」には、インテル® Xeon® Gold 5418Yプロセッサー(24コア)が搭載され、より高速なデータ処理が実現されています。一方、下位機種の「FC-R03T」には、インテル® Xeon® Silver 4410Yプロセッサー(12コア)を採用し、全体的な性能を向上させています。
さらに、メモリには最新のDDR5 SDRAMを採用し、最大搭載メモリ容量を2Wayモデルで512GB、1Wayモデルで256GBまで拡張可能にしました。ストレージにおいても、NVMe SSDを新たに搭載し、従来の960GBに加えて、3.8TBの大容量オプションも提供しています。これにより、製造業に必要なデータの迅速な処理と管理が実現されます。
NECの新製品は、ただ高性能であるだけでなく、現場での厳しい利用条件にも耐えられる設計がされています。コンパクトな438mmの筐体サイズは、設置スペースを考慮したものとなっており、ホットスワップ対応の電源ユニットや空冷用ファンによる高い可用性も実現しています。また、動作温度範囲は0〜45℃で、耐振動や耐ノイズ設計が施されており、過酷な環境下でも安定して稼働できるように設計されています。
さらに、長期的な安定運用を支援するために、NECは5年間の製品供給と供給終了から最大10年間の保守を行うとしています。顧客のシステムが長期にわたって安定して稼働できるよう、装置納品を基点にした15年間の保守サービス「Support Pack」を提供しています。
NECは、DX推進に向けたビジネスモデル、テクノロジー、組織・人材の3軸による総合的なサポートを実施しており、これらの新しいファクトリコンピュータを通じて、将来的な製造業のデジタル変革を力強く後押しします。特に、業種を超えたパートナーシップと先進的なテクノロジーを活用し、社会課題や顧客の経営課題に対して効率的な解決策を提供することを目指しています。
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執筆:DXマガジン編集部