2024年11月21日、フェリカネットワークスは、大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所(以下「NII」)と共同で、国際標準技術「mdoc」を採用したデジタル学生証に関する技術実証実験を実施することを発表しました。この実証実験は、2025年1月から3月にかけて国内の複数の大学と連携し行われる予定です。「mdoc」とは、運転免許証をスマートフォンに格納する技術方式として国際標準化されており、デジタル学生証の実現にも大きく寄与することが期待されています。
本技術実証実験では、NIIが提供する「学術認証フェデレーション」の仕様に基づいて、デジタル学生証をスマートフォンに発行するためのシステムが提供されます。フェリカネットワークスは、この実証実験において、デジタル学生証の国内標準プロファイルの策定や、学術認証フェデレーションの拡張仕様に対して技術協力を行います。この取り組みにより、デジタル学生証の発行が促進され、学生たちに安全で便利な学びの環境が提供されることでしょう。
実証実験を通じて得られた知見は、2025年の春以降、NIIおよび参加大学から公開される予定です。「mdoc」を採用したデジタル学生証の導入は、学生の活動の質や幅を広げるだけでなく、大学間の連携や地域とのつながり、さらには企業との協力も可能にし、多様な社会的ニーズに応える効果が期待されています。これにより、より開かれた学びの実現が進むことでしょう。
さらに、フェリカネットワークスは、モバイルFeliCaプラットフォームの開発や運用で培った経験を活かし、技術の領域だけでなく運用ルールの策定にも取り組んでいきます。国内の高等教育に携わる各界との連携を深めることで、教育基盤の向上に寄与していくことを目指しています。
国際的に標準化された「mdoc」は、北米や欧州をはじめとした地域での採用が進められています。これにより、デジタル学生証は単なる個人識別の手段を超え、インターネットを介した情報提供や、利用者の同意に基づく情報提示、提示先の信頼性確認など、安全・安心なサービスの提供が可能となる技術として注目されています。今後、デジタル学生証の普及は、学びの場に新たな価値をもたらすことでしょう。
デジタル学生証の導入は、学生生活の新たなステージを開くための重要な一歩であり、フェリカネットワークスとNIIの取り組みに期待が寄せられます。これからの実証実験の進展に目を向けながら、学生たちがより豊かな学びを享受できる未来が広がることに期待しましょう。
【関連リンク】
フェリカネットワークス株式会社
https://www.felicanetworks.co.jp/
執筆:熊谷仁樹