株式会社NEWONEは、2024年11月13日に発表した調査レポートで、2,550人以上の会社員を対象に「はたらく価値観診断」ツールを用いた調査結果を公表しました。本調査の目的は、会社員の働き方やキャリア志向を年代別および職種別に分析し、職場における満足度と自信のギャップを明らかにすることです。
調査は2024年7月から11月にかけて行われたもので、回答者には20代未満から50代の会社員が含まれています。この診断ツールは、ビジネス環境における仕事や組織への満足度、働くうえでの意向など、約40項目にわたる価値観を評価しています。調査の結果、特に注目されたのは、若年層と中高年層の意識の違いや、各年代の自信の有無についてです。
調査結果が示すのは、20代前半の若者たちには高い「仕事に熱意を持ちたい」という意識があるものの、同時に自信が低いというギャップです。この傾向は、未経験からくる不安や、キャリアに対する実感の不足が影響していると考えられています。特に、自己成長やキャリアの構築についてのメンターシップや上司からのフィードバックが重要であることが示唆されており、成長を感じられる環境作りが求められています。
一方で、45-49歳の中高年層では、自信の高まりとともに仕事への熱意は安定しており、自信のギャップが小さくなっていることが明らかになりました。この世代の社員たちは仕事に対する経験値も高く、自身のキャリアについての自信を獲得しています。しかし、30代後半から40代前半にかけては、会社への帰属意識が低下し、特に管理職層が増加している現状が見受けられました。
また、職種別の分析において、管理職とサービス職に顕著な違いが見られました。管理職は仕事に対する熱意の割合が低く、チームやメンバーの管理に注力することが多いため、個々の仕事自体の面白さを感じにくい状況があります。対照的に、サービス職はお客様と直接接する機会が多いため、仕事に対する熱意は高いものの、仕事内容自体への満足度が低く、職場における長期的な帰属意識が薄くなっています。このように、職種ごとの課題を認識し、それぞれの特性に応じた支援が求められるのです。
調査レポートは、企業が会社員の価値観や働き方に基づいて人事戦略を策定する上での具体的な指針となりうる情報を提供しています。若年層の成長を後押しする支援や、サービス職における仕事の意味づけを強化することが、組織全体の満足度と生産性向上につながると考えられます。
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執筆:熊谷仁樹