近年、イベント運営における設営・撤去業務は、多様な機材や装飾品の搬入・搬出を伴うため、労働者に高い負担をかけ続けています。特に女性スタッフやシニア層にとっては、物理的な負担が大きな問題となっているのが現実です。岩谷マテリアル株式会社が実施した調査によると、イベント会社に勤務する人の約7割以上がこの業務に対して何らかの不便さや辛さを感じていることが明らかになりました。
調査では、イベント運営における設営・撤去業務での不便を感じる主な要因として、「物理的な作業量の多さ」や「労働時間の長さ・タイトさ」が挙げられています。具体的には、作業負担が増加した理由として「人手不足」が指摘されており、過重労働を招く要因となっています。参加者の46.9%が「人手不足による作業負担の増加」を辛さとして感じており、続いて「スケジュールがタイトで休憩時間が少ない」という意見も45.4%の人々から寄せられています。また、長時間の作業を通じて生じる身体的な疲労感が34.6%の人に影響を与えています。
一方で、生産性の向上については、まだ実感していない人が多い状況です。調査によると、約60%が「生産性は変わらない」と回答し、近年の業務改善に対して懐疑的な見方が広がっています。しかし、約3割の人々は「多少向上した」と感じており、特に効果を感じた施策としては「システムやツールの導入」や「機材の設置・組み立て作業工程の簡略化」が挙げられています。これらの取り組みが人々の負担軽減につながっているというポジティブな声も存在しています。
このような状況を踏まえ、イベント業界は今後、設営・撤去業務の効率化や人手不足の解消に向けた一層の取り組みが求められています。業務環境を改善し、スタッフがより快適に働けるような仕組み作りが、イベント業界全体の生産性向上に繋がるでしょう。イベント運営が再び活気を取り戻す中、これらの課題解決に向けた積極的な姿勢が必要とされています。
【関連リンク】
岩谷マテリアル株式会社
https://www.imcjpn.co.jp/
執筆:熊谷仁樹