Ashiraseは、視覚障がい者の歩行をサポートするナビゲーションデバイス「あしらせ」の新モデルを発表しました。このデバイスは、スマートフォン標準のセンサーデータに加え、デバイス搭載のセンサーデータ(磁気、IMU、GNSS)を用いた独自アルゴリズムにより、高精度なユーザー位置・方位推定を実現しています。
「あしらせ」は、特にロービジョンを含む視覚障がい者のために設計されました。日本国内には約200万人の視覚障がい者がおり、彼らの歩行を支えるための福祉機器として、スマートフォンの音声ナビゲーションが進化しています。しかし、歩行時には聴覚や白杖操作などの多くの情報処理が必要で、これが外出をためらう一因となっていました。この課題を解決するため、Ashiraseはホンダの新規事業創出プログラムIGNITION第一号スタートアップとして設立され、自動運転技術を応用したナビゲーションアルゴリズムを開発しました。
新モデルでは、スマートフォン標準のセンサーデータとデバイス搭載のセンサーデータを組み合わせ、高精度な位置情報の提供を実現しました。自動運転の自車位置推定技術を応用した独自のユーザー歩行位置推定技術により、位置情報のずれを改善しています。さらに、靴の中に入れる振動部分の素材を柔らかく薄い形状に変更し、装着時の違和感を低減。先行販売モデルから15%の小型化を実現し、幅広い靴に適したデザインにモデルチェンジしました。
製品の特徴として、手や耳が自由なまま目的地まで案内する機能が挙げられます。デバイスを装着した靴を履いて外出すると、足元からの振動によってルートや曲がる方向、タイミングなどを知らせます。スマートフォンはポケットに入れたままで操作が可能です。さらに、視覚障がい者にとって歩きやすいルートを提案し、複数のセンサー情報から生成されたデータを独自のアルゴリズムで補正します。AIを活用した多様な機能で、情報へのアクセシビリティを促進します。
具体的な製品仕様として、新モデルは片足につき約230mm×100mm×30mmのサイズで、重さは片足につき約55gです。靴サイズの目安は22.5~28.5cmで、カラーは黒です(オプションで4色のカバーがあります)。充電はUSB Type-Cで行い、約2時間の充電で最高連続使用時間は10時間です。また、防水性能はIPX5に準拠しています。
本日より、Ashirase公式Webサイトにて先行予約を開始しており、発送は2024年10月1日以降を予定しています。先行予約購入特典として、2024年9月30日までに予約購入した方先着150名に専用本体カバーをプレゼントします。Ashiraseはこの新モデルを通じて、視覚障がい者の外出を支援し、日常生活を豊かにすることを目指しています。