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現場の使いやすさを徹底追求したシフト管理サービス、シフト作成の煩わしさを解消する工夫を随所に盛り込む


店舗や工場、介護事業所、医療機関などに勤務する従業員のシフトを作成・管理するサービス「らくしふ」を提供するクロスビット。働き方の新たな体験価値を提供しようと、現場に配慮したサービス開発を特徴に打ち出します。同社が手掛けるシフト管理サービスの強みとは。今後、どんな体験価値を提供しようと考えているのか。クロスビット 代表取締役社長の小久保孝咲氏に、デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長の鈴木康弘氏が話を聞きました。

「働く」体験を変える、新たな価値を提供

鈴木:クロスビットの事業内容を教えてください。

小久保:外食業や小売業、サービス業、さらに医療機関や製造業の各現場で組まれる勤務シフトを作成・管理するサービスの開発を中核事業に据えています。シフト管理サービス関連の売上が大半を占めるようになっています。

鈴木:なぜシフト管理サービスを提供しようと思ったのか。きっかけがあれば教えてください。

小久保:事業者は「人」にしか生み出せない価値を創出し、働き手は誰もが、自分らしい働き方を選択できるようにする。そんな「働き方の体験」を変えたいと思い、実現する手段の1つとなった領域がシフト管理でした。

最近は「働き方」が多様化していますよね。勤務時間に縛られたくない、働きに見合った報酬を得たい、適正に評価されたいなど、勤務形態や雇用形態を問わない働き方が求められるようになっています。さらに転職を希望するなら、できるだけ早く効率よく転職先を探したいという人も少なくありません。こうした働くことにまつわるさまざまな要望を満たす製品・サービス群を揃え、事業者や働き手に新たな価値を提供できればと考えました。

写真:クロスビット 代表取締役社長 小久保孝咲氏

鈴木:「働き方」への関心が高まり続ける今の時代に合ったサービスと言えますね。実際に御社に相談に来る企業は、従業員の「働き方」にどんな課題を抱えているのでしょうか。最近の傾向があれば教えてください。

小久保:シフト管理に携わったことがある人ならご存じかと思いますが、シフトの作成ってすごく重要で非常に大変なんです。

例えば店舗スタッフ様のシフトを作成する場合、スタッフ様の希望を1人ずつ聞かなければなりません。いつ休みたいのか、いつなら出勤できるのかなどの要望をシフトに反映する必要があります。一方の店舗側は、「週末は混雑するので、いつもより多めのスタッフ様で対応したい」「平日は少なめのスタッフ様で人件費を抑えたい」などの希望があります。双方の要望を満たすシフトって思うように作成できないものなんです。

「この日は何時まで出勤できない?」とスタッフ様1人ずつに聞いていたら、シフト作成に何時間もかかってしまいますよね。一般的には、責任者の勤務時間の約1割がシフト作成に充てられている、なんて言われます。こうした時間を減らしたいという声は多いですね。

鈴木:昨今の人手不足を背景に、店舗のシフト作成はより手間のかかる作業になりつつありますね。それ以外の課題はありますか。

小久保:より緻密なシフトを作成したいという声も少なくありません。シフトを作成する専用ツールを導入しない事業者様の多くが、Excelなどの表計算ソフトを使ってシフトを管理しています。しかし、手作業ではミスも起こります。比較的余裕のある時間帯に多めのスタッフ様を割り当ててしまった、などが起こりがちです。

事業者様にとって、最大の目的は売上の最大化であることは言うまでもありません。例えば利益率が数%の店舗様では、20〜30%に及ぶ人件費をどう管理するかは大きな問題です。こうした人件費の抑制と利益率の最大化を図ろうと、当社にご相談にいらっしゃるケースは多いですね。

労務面を課題にする事業者様も増えています。手作業でシフトを作成すると、気づいたらあるスタッフ様が10日間も連続で出勤していた、なんてことが起こり得ます。こうしたミスを防ぐ目的で弊社のサービスを検討する動きもあります。さらには、翌日のシフトが決まらないといったスタッフ様の不満を解消する手段として、シフト管理サービスを導入するケースもありますね。

鈴木:Excelを使ったシフト管理では、多様化する「働き方」に追随できない。従来のシフト管理に限界を感じる企業が増えているのかもしれませんね。

写真:デジタルシフトウェーブ 代表取締役社長 鈴木康弘氏

現場の使いやすさに配慮した工夫を施す

鈴木:御社が提供するシフト管理サービスについてお聞きします。企業のシフト管理への課題を具体的にどう解消するのか。サービスの特徴を教えてください。

小久保:当社は「らくしふ」と呼ぶクラウド型のシフト管理サービスを提供しています。事業者様の課題解消はもちろん、現場様が容易に使える利便性が特徴です。

例えば、シフト作成に費やす時間を削減したいという声に対して、「らくしふ」はスタッフ様の出勤/休日希望日を効率よく収集する機能を備えています。LINEを使ってスタッフ全員に一斉通知し、出勤できる日や休みたい日を確認できます。電話やメールを使って1人ずつ希望日を確認する工数を削減できます。

さらに、労務上のリスクを抑止する機能も備えています。例えば、あるスタッフ様の1週間あたりの労働時間が40時間を超えるとアラートが上がります。事前に設定した勤務時間や連続出勤日を超過すると、責任者に通知が届くようになっています。店舗ではスタッフ不足などによる急な出勤が珍しくありません。こんなときでも労務上問題のない働き方なのかを容易に判断できるわけです。

鈴木:店舗を運営する事業者はもちろん、働くスタッフにも配慮した工夫を施しているわけですね。

小久保:シフトを自動で作成する機能もあります。曜日や時間帯ごとに必要なスタッフ数を事前に設定しておけば、その曜日、時間帯に最適な人員を自動で配置します。店舗責任者がスタッフ1人ずつの出勤日時を考える工数も削減できるのです。

さらに、打刻システムや給与計算システムと連携した予実管理も可能です。これまでの月あたりの人件費と、翌月のシフトを履行した場合の人件費を比較できます。人件費が普段より高ければシフトを事前に見直せるし、月の前半の人件費が高くなってしまったら、後半の人件費を意図的に抑えるといったシフトの調整も可能です。

鈴木:シフトにまつわるきめ細やかな機能を豊富に揃えている感じですね。小久保社長は「らくしふ」の強みはどこにあると考えていますか。

小久保:「現場様が使えるツール」であることが何よりの強みです。これまでさまざまな企業の担当者と話をしてきましたが、せっかくツールを導入しても活用されないという声をたくさん聞きました。

そこで「らくしふ」を開発するにあたり、現場の使いやすさを最優先し、今も現場感を大切に守り続けています。面倒な設定なしに使い始められるようにしたり、自動でシフトを作成したりと、現場がすぐに使い始められるツールに仕上げています。

現場の使いやすさを徹底するため、開発チームは顧客とのコミュニケーションも大切にしています。機能を追加する際には顧客と相談し、どう実装すべきか、本当に必要なのかを議論するようにしています。私が顧客とのコミュニケーションを大切にしようと言ったわけではなく、開発チームのメンバーが自主的、かつ当たり前のように顧客と頻繁に会っています。こうした風土が根付いているのは、当社の強みの1つかもしれませんね。

鈴木:とても素晴らしい開発チームですね。開発ってどうしても自分よりの視点になりがちですが、顧客視点を常に意識できるのは他社にはなかなかない強みですね。「らくしふ」を導入して「こんな効果を上げた」などの事例があれば教えてください。

小久保:導入した企業で言うと、飲食店では鳥貴族や日本ピザハット、ダイヤモンドダイニング、カラオケ店では第一興商(ビックエコー)、歌広場、さらにホテルチェーンを展開するルートイングループなどがあります。現在までに約600社の導入実績があります。

導入企業様の中には、シフト作成に費やす時間を15時間から3時間に短縮したという企業様や、月に200万円もの人件費・採用費を削減したなどの事例があります。時間短縮や経費削減など、目に見える効果を上げた導入企業様が目立ちますね。

なお当社では、シフト管理サービス「らくしふ」のほかに、シフトワーカーの採用を支援する「らくしふワーク」、従業員様の入退社/契約更新時の契約管理を支援する「らくしふ労務管理」といったサービスも提供しています。現場様が使いやすい「らくしふ」シリーズを拡充し、企業の導入効果や生産性を高められればと考えています。

スタッフの能力の見える化で生産性向上を目指す

鈴木:クロスビットとして今後の目標があれば教えてください。

小久保:「働き方の体験」を変えたい、という思いはこれからも変わりません。業務効率化や生産性向上で事業者は「人」にしか生み出せない価値を創出でき、働き手は誰もが自分らしい働き方を選択できるようにしたいという思いがあります。

その先に、事業者はより良いサービスを届け続け、働き手はそのような魅力的な職場とより簡単かつ頻繁に出会えるようになると考えます。働き手は自分の能力が必要とされる職場で適正な報酬や機会を得られる、これを実現するサービスを事業者に提供することで、サービスを受け取る人の体験が向上し、さらに働き手と働き手の家族の時間もより充実した時間に変わる、そんな社会の実現を目指しています。

ただ、具体的な取り組みに目を向けると、多くの可能性があると考えます。

その1つが「評価」です。評価する仕組みも含めて見える化し、透明性を高めることで働き手が退職するリスクや採用費の増加を抑止できればと考えています。店長や上司、本部が評価するだけにとどまらず、現場のスタッフ同士で評価したり、評価制度を現場主導で改善したりし、風通しの良い職場づくりに寄与したいです。

「教育」も現場主導で取り組むべきです。例えば店舗スタッフの教育は、本部主導で全店舗共通のマニュアルを教えることが多いようです。しかし、何を教えるべきかは現場が熟知していますし、何より店舗ごとに教える内容も異なるはずです。こうした現場の声を反映できる教育体制の構築もサポートできればと考えています。

当社は現在、主にシフト管理サービスを軸にした新たな体験価値の提供に取り組んでいます。しかし今後は、働き方にまつわる見える化できる領域を広げ、もっと大きくインパクトのある体験価値を提供できるようになればと考えています。

鈴木:現場主体の評価や教育体制が根付けば、本部の役割も変わりますね。店舗来店者に提供できる価値も自ずと変わることになるでしょう。御社が果たす役割はとても大きく、責任も重大ですね。

小久保:微力ながらも、当社がこれまでの「働き方」に一石を投じられればと思います。それだけの覚悟を持って「働き方」の体験を変えられればと考えています。

鈴木:「らくしふ」として今後、機能強化の予定などがあれば教えてください。

小久保:「らくしふ」はこれまで、時間短縮や人件費削減といった「負」を解消するための機能強化に主眼を置いてきました。しかし今後は、売上増加や優秀な人材獲得などのプラス面に作用する機能強化に取り組めればと考えています。

とりわけ注力するのが、スタッフ様の能力の見える化です。店舗でも工場でも、決まった曜日、時間帯に必要な人員を割り当てたシフトさえ組めばいいわけではありません。スタッフ様ごとに能力やスキル、適正は異なるからです。例えば、Aさんが3人分の働きをするかもしれません。掃除好きなBさんは閉店後の掃除中心のシフトを組んだ方が効率的かもしれません。このように、スタッフ様ごとの能力をきちんと見極められるようになれば、店舗はさらに最適な人員配置が可能ですし、売上アップも見込めるようになるわけです。働く時間帯や主な勤務内容と個々の能力を紐づけてシフトを組めば、生産性や効率性の向上さえ見込めるようになります。さらに、働き手は自分の能力や思い、過去の経験などを活かせる役割で活躍でき、正しい評価を受けたり適正な報酬を受け取ったりすることも可能になります。単なる人数を決めるシフト管理から、スタッフ様の能力を加味したシフト管理へ昇華できるようにしたいと考えます。

鈴木:小久保社長は働くことに対し、さまざまなアイデアをお持ちですね。従業員の働き方が今後、どう変わっていくのか。御社の今後の展開を非常に楽しみにしています。本日は貴重なご意見、ありがとうございました。

小久保:こちらこそ、本日はありがとうございました。


株式会社クロスビット
https://x-bit.co.jp/

シフト管理サービス「らくしふ」
https://rakushifu.jp/

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