
AI作曲で地域と学校をつなぐ校歌づくり 理化学研究所 先端人工知能研究センターが紹介動画を公開
音楽情報インテリジェンスチームが、AIを活用した校歌制作の取り組みを紹介するリサーチイントロダクション動画を公開しました。2024年に実施したAI作曲ワークショップでは、複数の小学校と中学校の児童生徒に加え、地域住民も参加し、学校とコミュニティが一体で創作する場が形成されました。子どもたちが生み出した音楽素材をもとに、膨大なメロディの組み合わせを試行し、AIが歌詞との相性を評価するプロセスが採用されています。選定には大学や研究機関の連携も加わり、専門家と学生の協働で候補曲を磨き上げる流れが構築されました。最終的な公式校歌の選考と録音には、理化学研究所 先端人工知能研究センターに関わる音楽家の支援も行われています。今後は英語字幕付きバージョンの準備が予定され、国際的な共有も視野に入れています。
学校と地域が参加したAI作曲ワークショップの全体像
2024年に開催されたワークショップでは、音楽情報インテリジェンスチームが開発したAI支援作曲システムが用いられました。参加者は田道東、田田中学校、青葉田、北田の4つの小学校と田田中学校の児童生徒で、地域住民も創作に加わりました。子どもたちが作ったモチーフやフレーズなどの素材が収集され、組み合わせ可能な音楽案の数は10の50乗を超える規模に達したと示されています。膨大な候補をふるい分けるため、九州大学文化知能科学研究所が連携し、AIにより歌詞との適合性を評価しました。その評価結果からトップ100のメロディ組み合わせが生成され、選曲の出発点が明確になりました。学校と地域が主体的に関わるプロセスが、創作の透明性と納得感を高める基盤になっています。
産学連携で候補曲を精緻化し公式校歌へ
トップ100からの楽曲精査では、金子瞳教授と東京藝術大学の学生が協力し、4つの校歌提案が作成されました。候補曲の選考会には、理化学研究所 先端人工知能研究センターの音楽家で客員主任科学者である小室哲也らが出席し、最終的に1曲が公式校歌として選出されています。録音は東京藝術大学の学生の支援によって実施され、作品の完成度を高める体制が整えられました。選考から録音に至る一連の工程にAIと人の協働が組み込まれ、評価の客観性と表現の深みの両立が図られています。制作の道のりが動画として公開されたことで、取り組みの手順や判断基準が可視化され、他地域での再現可能性も高まります。将来的に英語字幕版の提供が予定され、国内外に向けた発信の幅が広がることが見込まれます。
AI評価とコミュニティ協働がもたらす制作プロセスの特徴
本プロジェクトでは、子どもたちの創作素材を最大限に活かすため、AIが歌詞との適合性を定量的に評価する仕組みを導入しています。組み合わせが10の50乗を超える中でトップ100を抽出するアプローチは、探索空間の広さに対して効率的な選抜を可能にしました。候補の段階から大学教員と学生が関与することで、教育的価値と専門的知見が制作物に反映されています。さらに、理化学研究所 先端人工知能研究センターと学術機関の連携により、選考と録音が組織的に進行しました。地域住民の参加が創作の背景を豊かにし、学校とコミュニティの関係強化にもつながっています。公開動画は、こうしたプロセスの全体像を伝え、取り組みの具体的なステップを把握する助けになります。
詳しくは「理化学研究所 先端人工知能研究センター」の公式ページまで。レポート/DXマガジン編集部
