日本航空(JAL)、JALカード、NTTドコモの3社は、「関係人口」の創出による地域活性化をめざし、革新的な実証実験を2025年8月1日から開始すると発表しました。

実証の中核となるのは、NTTが開発した「秘匿クロス統計技術®」の活用です。この技術は、JALが持つ顧客データとドコモが保有する位置・属性データを、個人が特定されない形で突合・集計し、移動傾向などを高精度に可視化するもの。プライバシーに配慮しつつも、地域との「関わり方」を定量的に把握する革新的アプローチとして注目されています。
対象となる地域は、新千歳、南紀白浜、高松、福岡の4空港とその周辺。JAL便を利用した人々の移動傾向や訪問頻度を分析し、地域との継続的な関係を築いている層、いわば「関係人口」の実態を明らかにする狙いがあります。さらに、「JALふるさと納税」とのデータ連携により、納税行動と実際の地域訪問の相関性も検証するとのことです。
関係人口とは、移住や定住だけにとどまらず、観光・納税・物産購入などを通じて地域と関わる人々を指します。人口減少が深刻化する中で、定住人口だけでなく「関係人口」の育成が地方創生の鍵を握るとされており、その実態把握は長年の課題でした。
今回の取り組みにより、統計的かつ安全に関係人口の動態が分析できるようになることで、地域ごとの戦略設計や観光・産業政策にも波及効果が期待されます。3社は今後もこの技術を基盤に、人と地域をつなぐ社会的価値の創造をめざすとしています。
詳しくはJALまで。
レポート/DXマガジン編集部