6月1日から施行された労働安全衛生規則改正で、WBGT(暑さ指数)28℃以上や気温31℃以上の屋外作業が1時間以上継続すると、報告体制と緊急対応手順の整備が事業者に義務付けられました。死亡災害の78%が「発見の遅れ」に起因するという深刻な実態を受け、デジタル技術で「見つける」「判断する」「対処する」を高精度に実現するソリューションが注目を集めています。
DXで進化する“見つける・判断する・対処する”
改正規則では、
- 報告体制の整備…熱中症の自覚症状や異変を検知した際に即座に報告できる連絡網と担当者の明示が必須に。
- 緊急対応手順の策定…作業離脱、身体冷却、医師診療までのフローを現場ごとに具体化し周知。
これらを支えるデジタルツールは多数登場しています。
- IoT暑さセンサー×クラウドダッシュボード
様々な現場温度・湿度・輻射熱をリアルタイム測定し、WBGTを自動算出。28℃ラインを超えた瞬間にスマホへプッシュ通知し、管理者が即時に休憩指示や作業中断を判断できます。 - スマホアプリによるセルフレポート
作業者自身が初期症状(めまい、こむら返りなど)をタップ報告できるアプリ。報告はクラウドに蓄積され、現場責任者へアラートを自動送信。後からの振り返り分析にも活用できます。 - AI映像解析による異変検知
作業中の映像から姿勢や動作の乱れをAIが検知し、高ストレスサインを早期発見。検知と同時に「体調異常リスク」としてダッシュボードに表示し、判断の遅れを防ぎます。 - 緊急搬送連携プラットフォーム
医療機関とのAPI連携で、最寄りの病院への搬送ルート検索や救急要請ボタンをアプリ化。熱中症を疑うケースでの「一人にしない」搬送体制を強力にサポートします。
導入前には、まずWBGT測定箇所の特定・報告フローの可視化からスタート。DX化により、「発見の遅れ」を防ぎつつ、暑熱順化や休憩タイミングの最適化といった予防管理も高度化できます。
新たな法令対応をチャンスと捉え、AI×IoTで熱中症対策を“見える化・自動化”する最前線ソリューションをぜひご検討ください。
詳しくは「厚生労働省」まで。
レポート/DXマガジン編集部 海道