近年、職場で顧客から心理的相談を受ける機会が増えています。これにより、顧客満足度の向上が期待できる一方で、従業員にとっては大きな負担となっています。株式会社Naneaが実施した調査では、全国の20〜60代の男女が対象となり、心理的相談に関する実態が明らかにされました。
調査によると、毎月顧客から相談を受ける従業員は96.3%に達しており、多くの人がこの業務を日常的に行っています。特に『週に数回』の頻度で相談を受ける社員が33.9%を占め、顧客からの心理的な相談が職場の一部として定着している様子が伺えます。これは、顧客が何気ない会話の中で、自らの悩みを打ち明けることからじていると考えられます。

お客様からの相談で最も多い内容は『職場・人間関係のトラブル』で、54人がこの回答を選びました。次いで『家族関係の悩み』や『健康・病気への心配』という課題も多く、これらは現代社会のストレス要因を反映しています。顧客が抱える問題を理解し、応じるためには、従業員にも一定の訓練が必要です。

調査の結果、心理的相談を受けた際の最も多かった対応は『じっくりと話を聞く』というもので、82人がこの方法を選びました。共感の言葉や励ましの言葉をかけることも重要ですが、まずは聞き手となる姿勢が重視されているようです。これにより、顧客が心を開きやすくなり、信頼関係が築かれるのです。
従業員が心理的相談に応じる中で、感じる困難が多いことも明らかになりました。『適切な言葉が見つからない』という悩みは37人が回答しており、また『話を聞くしかできない』という現実も46人が訴えています。これらの結果から、さらなる専門知識やカウンセリング技術が期待され、資格取得への関心が集まっていることが分かります。
7割以上の従業員が心理カウンセラーの資格を取得したいと回答しており、顧客へのより良い支援を実現するための一歩を踏み出そうとしています。心理的な相談を適切に扱う能力は、今後ますます重要になるでしょう。
デジタル化が進む中、職場での心のケアに関する情報やスキルの習得はオンライン講座やeラーニングを通じて容易になっています。こうした技術を活用することで、従業員は自分のペースで心理的相談に関する知識を深めることができ、顧客との信頼関係もより強固なものになると期待されます。
職場における心理的相談は、顧客との関係を深めると同時に、従業員にとっては多大な負担ともなり得ます。適切なサポートや教育を受けることで、より円滑なコミュニケーションが生まれ、職場全体のメンタルヘルスも改善されることが期待ます。株式会社Naneaの調査結果は、今後の職場環境における心理的相談へのアプローチの重要性を再認識させるものとなりました。
詳しくは「株式会社Nanea」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松