地方の新聞社が、AIと地域連携で教育の未来を変えようとしているのをご存知ですか?長野県の信濃毎日新聞が開発した学習支援サイト「シンマイEGG」は、子どもたちが地域とつながり、将来のキャリアを自ら見つけるための画期的なDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。
地方紙が教育インフラに!「シンマイEGG」の全貌
信濃毎日新聞は、2025年4月1日に学習支援サイト「シンマイEGG(エッグ)」のフルメニュー版をリリースしました。これは、長野県内の小中学校・高校を対象とした画期的な教育DXの取り組みです。
「シンマイEGG」には、子どもたちが新聞をより身近に感じ、学びを深めるための多様なコンテンツが搭載されています。例えば、地域ニュースは子どもたちが読みやすいようにふりがな付きで再編集され、漢字が苦手な子でも安心して読める工夫がされています。また、1995年以降の信濃毎日新聞の記事全文を網羅した「記事データベース」は、調べ学習や探究学習に大いに役立ちます。さらに、「新聞作りアプリ」を使えば、社会科見学などで調べた内容を簡単に新聞形式にまとめることができ、修正も手軽なため、子どもたちの心理的負担を軽減します。
「シンマイEGG」の最大の注目点は、2025年6月以降に本格掲載が予定されている「信州の仕事・会社」コーナーです。このコーナーでは、長野県内の企業や職場の仕事内容、そこで働く人々のリアルな姿が紹介されます。さらに、各企業が会社見学や職場体験を受け入れているかといった情報も掲載され、教育現場と地域経済の連携を強力に後押しします。
これは、単なる情報提供に留まらず、子どもたちが地元企業の魅力を知り、将来のキャリアパスを具体的に描く上で重要な役割を果たします。AIを活用した「おすすめ機能」も搭載されており、簡単な質問に答えるだけで、子どもたちに合った職種が提案されるなど、GIGAスクール構想に対応した先進的なキャリア教育が実現されています。
信濃毎日新聞のこの取り組みは、地方紙が単なるニュース媒体から、地域の教育インフラ、ひいてはキャリア形成支援のプラットフォームへと進化していることを示唆しています。これは、地方における若年層の流出抑制や地域経済の活性化に貢献する「地域DX」の成功モデルとなり得るでしょう。
詳しくは「信濃毎日新聞」まで。
レポート/DXマガジン編集部海道