「フルタイム=8時間」はもう古い?大和ハウスグループが導入した新制度が話題です。育児や介護の有無にかかわらず、社員自らが所定労働時間を選べる柔軟な働き方がスタート。Z世代やミドル世代にも響く、新しい働き方のスタンダードになるかもしれません。
“フルタイム”の定義を見直す──成果重視の働き方へ
「1日8時間働くのが当たり前」という常識が変わりつつあります。大和ハウスグループの大和リース株式会社は、2025年4月より全社員を対象に「所定労働時間の選択制度」を段階的に導入しました。
この制度の最大の特徴は、育児や介護といった制約の有無を問わず、社員全員が6〜10時間の中から、自分の働く時間を年度単位で自由に選択できる点にあります。これは「短時間勤務=配慮が必要な社員」という固定観念を払拭し、「時間より成果」に価値軸を移す新しい働き方を目指すものです。
背景には、共働きや介護世帯の増加、ライフステージの多様化など、従来の“画一的な就業モデル”では対応しきれない現実があります。これまでも大和ハウスグループでは、育児や介護に伴う短時間勤務制度がありましたが、利用者の中には「肩身が狭い」と感じる声もあったといいます。
今回の制度は、「フルタイム」という言葉すら再定義し、「フルパフォーマンス」こそが企業成長の鍵であるという新たな視点を提示しています。
同社はすでに「くるみん認定」や「健康経営優良法人」の選定実績を持ち、「働きがい認定企業」としても7年連続で表彰されています。従業員の幸せと企業の成長を両立させる人的資本経営の好例として、他企業への波及も期待されます。
詳しくは「大和ハウス工業株式会社」まで。
レポート/DXマガジン編集部海道