「AIはコードではなく、“身体”を持つ時代へ」──世界最大規模のAIカンファレンス「GTC 2025」が台北・パリで開催。人型ロボットから自律走行、医療×AIまで、会場で語られた“産業再編の未来図”とは。AI時代の主役がついに姿を現し始めた。
ロボット・AI・生成エージェントが結ぶ“フィジカルAI”の世界
2025年6月、NVIDIAが主催する世界最大級のAIカンファレンス「GTC」がパリで開催。台北での前哨戦を経て、ヨーロッパのAI関係者や企業がポルト・ド・ヴェルサイユに集結しました。
注目されたのは、生成AIを“物理世界”に展開する「フィジカルAI」の最新動向。NVIDIA CEO ジェンスン・フアン氏のキーノートでは、人型ロボットの進化、エージェントAIの生産現場導入、そして医療や自動運転への応用が紹介され、大きな話題となりました。
会場には、OpenAI・Meta・Googleなど主要プレイヤーの研究者が集い、LangChainによるAIエージェントの商用化、Waymoの完全自動運転技術、PepsiCoのデジタルツイン活用事例など、業界横断でのAI活用の“本番投入”が次々に発表されました。
特に目を引いたのは、AIによる「ロボット訓練」や「工場設計のデジタルツイン化」、さらには「生成AIによる都市空間の最適化」など、仮想と現実をシームレスに接続する構想。AIが単なるソフトウェアではなく、ハードウェアと融合し、“社会インフラ”へと進化していることが感じられました。
また、GTCでは開発者向けにCUDAの新機能や、RAG(Retrieval Augmented Generation)を活用したエンタープライズ向けデータ基盤の進化も披露。「開発者を支えるプラットフォーム進化」も次の段階へと進みつつあります。
2026年にはさらにスケールアップしたGTCが予告されており、「人間とAIが共に働く」産業設計は、もはや未来の話ではありません。今まさに始まっているのです。
詳しくは「NVIDIA」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部