「人が足りない。でも採用がうまくいかない」——そんな現場の切実な声に、AIが本格的に応え始めている。Thinkings社が描く“次世代HRプラットフォーム”とは？ 採用の最前線にいる人事がいま注目すべき、生成AIと採用DXの最新トレンドをレポートする。
採用は“つくる時代”から“選ばせる時代”へ
2024年5月、Thinkings株式会社は「HR領域におけるAI活用の最新トレンドと展望」をテーマにイベントを開催した。注目を集めたのは、同社の採用管理システム「sonar ATS」に新たに搭載された機能「AI求人作成アシスタント（β）」だ。
このツールでは、職種や要件を入力するだけで、AIが最適な求人票のたたき台を提案。ペルソナの自動生成から文面の調整まで、これまで手作業だった業務が一気に自動化される。採用現場における「作業の多さ」「表現の悩み」「部門とのすり合わせ」など、担当者の課題に真っ向から向き合うプロダクトである。
背景にあるのは、深刻化する人材不足。2040年には労働人口が1,100万人減少するとも言われており、採用の“質とスピード”は企業競争力に直結する時代となった。
CHROの佐藤邦彦氏はこう語る。「AIを使うことで、候補者に“ものすごいラブコール”を送ることができるようになる。誰でも同じ求人を見る時代から、“あなたのための求人”を届ける時代へ変わろうとしている」
実際、AIが生成する求人文は、求職者の経験や志向に即した内容を反映し、企業と個人のマッチング精度を高める設計となっている。これは従来の一斉送信型スカウトとは一線を画す。
同イベントでは、AI専門メディア「AINOW」の小澤健祐氏も登壇し、「生成AIは単なるチャットボットではない。非構造データを扱えるからこそ、これからのHR領域に大きなインパクトをもたらす」と指摘。生成AIによる“人材採用のリデザイン”が現実味を帯びてきた。
いまや「応募が来ない」ではなく、「誰にどう届けるか」を設計する時代へ。AIが採用の主役になる日は、すぐそこまで来ている。
詳しくは「Thinkings株式会社」の公式ページまで。
レポート／DXマガジン編集部海道
