デジタルネイティブであるはずのZ世代。その約7割が生成AIを「使っていない」と答えた最新調査が明らかになりました。しかも、今後の活用イメージについても「わからない」が最多という驚きの結果。AI時代の到来に、若手社員はいま何を感じ、何に躊躇しているのでしょうか?
AIリテラシーの前に“社内の空気”という壁
リ・カレント株式会社が東京都在住の20代400名を対象に実施した調査によると、「生成AIをまったく活用していない」人が45.5%、「ほとんど活用していない(数回試した程度)」が26.0%となり、合計で約7割の若手社員が業務において生成AIを使っていないことが明らかになりました。
驚くべきはその理由です。「業務で使う機会がない」(23.8%)、「使い方がわからない」(20.3%)、「会社がツールを導入していない」(20.2%)と、個人のリテラシーの問題よりも、職場環境や制度整備の遅れが影響している傾向がうかがえます。
また、「AI技術の拡大について不安を感じるか」という問いに対し、「まったく不安を感じない」「あまり不安を感じない」と回答した人が6割を超えており、生成AIに対して冷静かつ距離を置く姿勢が見られました。
さらに、「今後どのように生成AIを活用していきたいか」との問いには、「わからない」と回答した人が36.3%で最多となり、将来的な展望を描けていない若手が多い現状も浮き彫りとなっています。
一方で、キャリアビジョンを明確に持つ若手社員ほど、生成AIの活用頻度が高く、期待も強いという相関があることも示されています。目的意識がある若手は新技術への適応力も高いということです。
今回の調査結果からは、「Z世代=AIに強い」という単純な構図が通用しないことがわかります。企業の制度や風土、上司の理解度など、若手が安心して技術に触れられる“土壌”づくりが重要になってきています。
詳しくはリ・カレント株式会社の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部 海道