近年、中学生が参加するスポーツ活動の重要性が増しており、保護者の役割も多様化しています。これまでは子どもの活動頻度や時間に焦点を当てた調査が多く、保護者の具体的な関与についての研究は不足していました。本調査は、保護者がどのようにスポーツ活動に関与しているのか、またそれに対するやりがいや満足度はどのようなものかを明らかにし、今後の子どもたちのスポーツ環境の改善に寄与することを目指しています。

運動部やスポーツクラブにおいて、保護者の関与が特に際立っていました。最も多い関与内容は「お子様の送迎」であり、運動部では63.0%、スポーツクラブでは78.1%がこの活動を行っています。また、飲み物や食事の準備、保護者間の連絡も重要な役割を果たしています。このことから、保護者は子どものスポーツ活動に積極的に関与していることがわかります。

調査では、スポーツクラブに参加する保護者が最も多くのやりがいと満足度を感じていることが示されました。「やりがいを感じている」と答えた保護者は、スポーツクラブ57.8%、運動部49.2%、文化部31.0%という結果となり、スポーツクラブの参加者が他の部活動よりも高い評価を得ていることが浮き彫りになりました。このことは、スポーツクラブが提供する活動の充実度が保護者にって重要な要素であることを示しています。
スポーツクラブにかかる費用は運動部に比べて高額であり、家庭が支払う平均費用は運動部50,857円、スポーツクラブ155,799円に達します。この費用差は、保護者の関与や満足度に影響を与える可能性があり、クラブ活動の資金調達や支援のあり方についても考慮していく必要があります。
本調査を通じて、保護者が中学生のスポーツ活動に積極的に関与している実態が明らかになりました。特にスポーツクラブの参加者は、やりがいと満足度が高いことが特徴です。今後はこの調査結果を基に、保護者や地域の支援がどのように行われているか、さらには子どもたちのスポーツ環境の向上に向けた具体的な取り組みへの議論を深めていく必要があります。詳しくは「公益財団法人笹川スポーツ財団」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部小松