新型コロナウイルスの影響で急速に普及したテレワーク。しかし、2024年以降、一部の大手企業では出社を推奨する動きが見られます。テレワークの利点が広く認識される中、なぜ再びオフィス回帰が進んでいるのでしょうか?その背景には、業務効率や組織文化の維持といった課題があるようです。この記事では、アクセンチュアの方針転換を例に、テレワークの現状と企業の新たな働き方について探ります。
アクセンチュアは、2023年10月から週3日の出社を強く推奨する方針を設けていましたが、2025年6月以降は週5日の出社へとルールを変更しました。この方針転換は、クライアントとの対面でのコミュニケーションや、社員同士の協働を重視するためのものです。対面でのやり取りは、信頼関係の構築や迅速な意思決定を促進するために重要であると同社は考えています。アクセンチュアは、業務の性質に応じた柔軟な働き方を模索しつつ、オフィスでの業務を強化する方向に舵を切りました。
総務省の調査によれば、テレワークにはいくつかの課題が指摘されています。具体的には、ネットワーク環境やPC等機器の整備が不十分であること、機微な情報を扱い難いなどのセキュリティ面の不安、通信費の自己負担が発生すること、社内の評価やキャリアへの不安が挙げられます。これらの課題が、企業がテレワークから出社へと方針を転換する一因となっていると考えられます。特に、セキュリティ面の不安は多くの企業にとって深刻な問題であり、機密情報を扱う業務においては、対面でのコミュニケーションが求められる場面が多くなります。
テレワークの利点と課題を踏まえ、多くの企業がハイブリッド勤務など柔軟な働き方を模索しています。今後も、業務の性質や社員のニーズに応じた働き方の最適化が求められるでしょう。企業は、テレワークの利点を活かしつつ、オフィスでの協働の重要性を再認識し、バランスの取れた働き方を追求していく必要があります。
レポート/DXマガジン編集部海道