パナソニック ホールディングスは2025年2月4日、決算説明会で発表したグループ経営改革の要旨を説明会資料とともに公表しました。同社は、グループとして注力する「ソリューション領域」と、収益基盤となる「デバイス領域」および「スマートライフ領域」を設定し、資源やエネルギーを無駄なく活用する社会・くらしの持続的な発展に技術で貢献していく考えです。
ソリューション領域では、グローバル競争力を有するソリューション事業群を中心に、顧客起点のマネジメントによりグループ全体でシナジーを創出し、お客様へのお役立ちを拡大することで、グループの成長を牽引することを目指しています。一方、デバイス領域では、商品ポートフォリオの絞り込みを進め、材料・プロセス系の事業に集中することで、調整後の営業利益率15%以上の実現を目指し、特に車載電池に関しては成長シナリオの見直しを行い、収益化に注力する方針です。
また、スマートライフ領域においては、家電事業の再建に向けて事業構造や体制の抜本的な見直しを実施し、開発・製造・販売のリソース適正化を徹底することで、ジャパンクオリティを世界で戦える「グローバル標準コスト」で実現し、調整後の営業利益率10%以上の達成を目指します。
同社は構造的・本質的課題の解決に向け、2025年度は経営改革に集中し、2026年度までに1,500億円以上、2028年度までにさらに1,500億円以上、計3,000億円以上の収益改善効果を実現することを狙っています。そのため、リーンな本社・間接部門への固定費構造改革や、間接・販売部門を中心としたDXによる生産性向上、さらにこれまで先行投資してきた事業領域の収益改善に取り組むとともに、低収益事業の見極めや再建、事業立地の判断を実施していく考えです。加えて、グループ全体でソリューション領域におけるシナジーを創出するため、パナソニックを発展的に解消し、傘下の分社を事業会社化するとともに、家電事業においては、グループの家電事業を集約した事業会社を設立して再建を目指す計画です。
最終的には、これらの経営改革および事業ポートフォリオマネジメントの強化を通じ、2028年度にROE10%以上、調整後営業利益率10%以上を達成し、グループ全体の経営基盤の強化と持続的成長を実現していきます。
レポート/DXマガジン編集部折川