2024年12月18日、ホンダと日産が経営統合に向けた協議に入るとの報道がありました。これにより、自動車業界の構造は大きく変わる可能性があります。特に、両社で重複するサプライチェーンの実態が注目されています。帝国データバンクの調査によると、ホンダと日産が共通して取引している企業は9,242社にのぼります。この中で、約7割にあたる企業が売上10億円未満であることが判明しており、これが業界全体に与える影響は少なくありません。
調査によると、自動車産業における全サプライチェーン企業はおよそ6万8485社であり、そのうち76.5%が売上高10億円未満の企業です。これは、特に中小企業が自動車産業の基盤を支えていることを示しています。具体的には、「自動車部分品・付属品製造業」が550社と最も多く、次いで「金型・同部分品・付属品製造業」や「一般貨物自動車運送業」が続きます。これにより、自動車製造に必要なさまざまな部品やサービスが複雑に絡み合っていることがわかります。
ホンダと日産の経営統合が進む中で、サプライヤーは規格の統一、EV市場への対応、価格交渉の見直しといった課題に直面することになるでしょう。特に10億円未満の企業が7割を占める中、単独での競争力を維持することは難しくなるのが現実です。このため、資金力や技術力のある企業同士での統合やM&Aの動きが加速する可能性があります。
このような変革が起こる中、メーカー側は公正な取引条件を整えつつ、サプライヤーの技術力強化や他メーカーへの展開を支援することが求められるでしょう。サプライヤーは、競争力を高めるための持続的な努力が不可欠となります。今後の自動車産業の行方は、このような企業間の関係性や相互依存の状況によって大きく左右されるでしょう。ホンダと日産が一緒に歩むことで、業界全体の変化が期待されます。詳しくは「株式会社帝国データバンク」の公式ページまで。
レポート/DXマガジン編集部熊谷