1.塩分
犬にとって塩分(ナトリウム)の過剰摂取は深刻な健康リスクをもたらします。
一方、人間の食べ物は塩分が多く、頻繁に犬に与えていると塩分の摂取量が過剰になりがちです。塩分の過剰摂取は腎臓病や心臓病などの持病を悪化させる可能性があり注意が必要です。
また、犬が塩分を大量に摂取すると「食塩中毒」を引き起こす可能性があります。食塩中毒では摂取後数時間で嘔吐や下痢、異様な喉の渇きなどの症状が見られます。最悪は痙攣や意識障害などの神経症状を引き起こし、命にかかわる場合もあり得ます。
もちろん、犬にとって塩分は必要不可欠な栄養素ですが、摂取量が過剰にならないように適切に管理することが必要です。愛犬の健康を守るためにも、できるだけ人間用の食べ物は与えないようにしましょう。
2.糖分
犬は甘いものを好む傾向がありますが、糖分の過剰摂取は大きな健康問題を招きます。いちばんに心配されるのは「肥満」です。
ぽっちゃりした犬は愛嬌があって可愛らしいですが、肥満が心臓病などの命にかかわる病気の原因になることを考えると、決して歓迎できる状態ではありません。
また、体重が増えると関節にかかる負担が大きくなり、関節を傷める原因になり得ます。関節に痛みがあると犬は動くのを嫌がり、さらに肥満が進行してしまうという悪循環におちいるため注意が必要です。
ほかにも、手術の際に麻酔からの覚醒が悪くなるといったリスクもあります。
以上のように、犬の肥満は命にもかかわるさまざまなリスクを高めますから、糖分の摂取量が過剰にならないよう十分に注意しましょう。
3.タンパク質
穀物を使用していないグレインフリーのドッグフードが良いと言われていることもあって、タンパク質をたくさん摂取するのは良いことだと思っている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。
たしかに、タンパク質は筋肉や臓器の健康に欠かせない栄養素ですが、その一方で過剰摂取にはリスクもあります。
タンパク質の過剰摂取は、腎臓や肝臓への負担につながります。とくに、慢性腎臓病や肝性脳症の犬には病気を進行させる原因にもなるため注意が必要です。さらに、過剰になったタンパク質は脂肪として蓄えられることになり肥満の原因にもなります。
高タンパクな食事は犬の健康に役立ちますが、同時に過剰摂取によるリスクも無視できません。年齢や活動量に見合った適正量を守ることが大切です。
4.食物繊維
適量の食物繊維は便通を整えたり、老廃物の排出を助けたりする働きのある栄養素ですが、過剰に摂取すると消化不良を引き起こし、下痢の原因にもなります。
また、食物繊維は、タンパク質や脂質、糖質などのエネルギー利用効率を下げる働きを持っているため、これらの吸収を阻害する可能性があります。とくに、成長期の子犬やダイエットの必要がない犬は注意が必要です。
犬に野菜を与える際は、食物繊維の摂り過ぎに気をつけましょう。
5.ミネラル
カルシウムやリン、マグネシウムといったミネラルは、犬の健康に必要不可欠な栄養素です。しかし、過剰摂取するとかえって逆効果となります。
リンの摂りすぎは骨の形成不全を引き起こしますし、マグネシウムを摂りすぎると尿路結石症のリスクが高くなります。
反対にミネラルの摂取量が減るのも良いことではありません。たとえば、成長期の犬がカルシウム不足になると、骨の形成不全を引き起こす可能性があります。
また、ミネラルはそれぞれが相互に作用するため、バランスが重要な栄養素でもあります。総合栄養食のドッグフードを与えていれば問題になることはまずありませんが、手作りフードを与える場合は、それぞれの量に加えてバランスにも注意が必要です。
まとめ
栄養は健康維持に欠かせないものですが、多ければ良いというものではありません。塩分、糖分、タンパク質、食物繊維、ミネラルはいずれも犬の健康維持に必要な成分である一方、過剰に摂取すると体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
とくに、人間用の食べ物を不用意に与えるのは、特定の栄養素の過剰摂取の大きな原因となります。健康に配慮したバランスの良い食事を心がけ、必要に応じて獣医師のアドバイスを受けながら、愛犬の食生活をサポートしていきましょう。
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