犬の膿皮症とは?症状や種類、治療について解説
犬の膿皮症は、皮膚の細菌感染によって引き起こされる炎症性の皮膚病で、多くの場合、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患が関与しています。
膿皮症には「表面性」「表在性・浅在性」「深在性」の3つのタイプがあり、それぞれ原因や治療法が異なります。本記事では、膿皮症の種類と特徴について詳しく解説します。
表面性膿皮症:細菌の過剰増殖による炎症
表面性膿皮症は、皮膚の表面で細菌が異常に増殖することで起こる炎症ですが、厳密には「感染」ではなく、皮膚の表上で常在細菌(特にブドウ球菌)が過剰に増えることが原因です。
この状態は、犬が過剰に舐めたり掻いたりすることで悪化しやすく、軽度の赤みや湿疹、フケの増加、皮膚のベタつきなどが見られます。特に、皮膚のしわが多い犬種(フレンチ・ブルドッグやパグなど)では、皮膚の折り目に湿気がこもることで発症しやすくなります。これがいわゆる”間擦疹”です。
治療としては、抗菌シャンプーや保湿剤の使用、スキンケアが基本となります。症状が軽い場合は、これらのケアだけで改善することがあります。
表在性・浅在性膿皮症:皮膚の浅い層に起こる感染
表在性・浅在性膿皮症は、表皮や毛穴の浅い部分に細菌感染が広がるタイプの膿皮症で、以下の3つの病型に分けられます。
① 表在性拡大性膿皮症
皮膚に円形の赤い斑点やかさぶたができ、次第に広がっていくのが特徴です。かゆみを伴うことが多く、特にアトピー性皮膚炎を持つ犬では繰り返しやすい傾向があります。
② 細菌性毛包炎
毛穴に炎症が起こり、小さな膿疱(ニキビのようなブツブツ)が見られます。かゆみが出ることが多く、犬が掻くことでさらに悪化することがあります。
③ 膿痂疹(のうかしん)
膿を含んだ小さな水疱ができるタイプで、特にお腹に発生しやすいとされています。ただし、膿痂疹が数個程度であり、かゆみもほとんどない場合は、治療をしなくても自然に治ることが多いのが特徴です。
治療
表在性・浅在性膿皮症の治療には、抗菌シャンプーや抗生剤の内服が用いられます。再発を防ぐためには、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患の管理も重要です。
深在性膿皮症:皮膚の深部に及ぶ感染
深在性膿皮症は、細菌感染が皮膚の深い部分にまで及び、強い炎症を引き起こす重度の膿皮症です。以下の2つの病型に分類されます。
深在性膿皮症には、「せつ腫症」と「蜂窩織炎」の2つの病型があります。せつ腫症は、毛穴の深い部分に細菌が感染し、膿を含んだしこり(膿瘍)ができる状態で、特に足先や指の間に発生しやすいのが特徴です。強い痛みを伴うことが多く、犬が頻繁に舐めたり噛んだりすることで悪化しやすいため、治療には抗生剤や抗炎症薬の内服、場合によっては局所療法が必要になります。
一方、蜂窩織炎は感染がさらに深部に及び、皮膚が赤く腫れて熱を持つことが特徴です。重症化すると発熱や元気消失といった全身症状が現れることもあり、入院治療が必要になることもあります。
治療
深在性膿皮症の治療では、慢性化すると治療が難しくなるため、早期の診断と治療が重要です。
まとめ
犬の膿皮症は、表面性、表在性・浅在性、深在性の3つのタイプに分類され、それぞれ症状や治療法が異なります。特にアトピー性皮膚炎が関与することが多いため、膿皮症を繰り返す犬では基礎疾患の管理が重要です。早期発見・治療によって、犬の皮膚の健康を守ることができます。
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