犬が水を飲まない原因は？
犬が水を飲まなくなるのは単なる気まぐれではなく、さまざまな要因が絡んでいる可能性があります。犬にかぎらず、水分摂取は健康維持に欠かせないものだけに、原因を見極めて適切に対処することが重要です。
ストレス
犬は精神的な不安や緊張などからストレスを感じて食欲や水分摂取量が低下することがあります。
ストレスの原因としては、引っ越しや家族構成の変化、新しいペットが増えたといった環境の変化が考えられます。そのほか、スキンシップや運動の不足なども原因となり得ます。
もし、思い当たることがあるならば、ストレスの原因を取り除いたり、改善に努めましょう。
病気
口腔内に強い痛み（歯周病など）があると、犬は水を飲むこと自体がつらくなるため、自然と水分摂取が減ります。
また肝臓病や腎臓病が進行するとぐったりしてしまって水が飲めなくなることもあります。
そのほかケガや椎間板ヘルニアなどが原因で腰や首に痛みがあると水を飲む体勢が取れなくなり、水を飲むのが大変になって水分摂取量が減る場合もあります。
老化
高齢になると、喉の渇きを感じる感覚が鈍くなったり体の機能が低下するため、自然と水を飲む量が減る傾向が見られます。また関節痛などで水のある場所まで行くのが億劫になることもあります。
とはいえ、飲まないから水が不要というわけではありません。愛犬が水を飲んでいるか確認し、量的に不足していそうな場合は、積極的に飲ませるようにしましょう。
季節
人間と同じように、犬も暑い季節は水をたくさん飲みますが、寒くなると水分摂取量が減る傾向があります。気温が下がると代謝が低下するため、自然に水分摂取量が減ってしまうと考えられます。
また水が冷たすぎると嫌がる犬もいます。そのような場合は、ぬるま湯を与えるなど、愛犬が飲みやすくなるような工夫をしてあげると良いでしょう。
水分が足りている
ウェットフードや水分量の多い食事を与えている場合、食事からの水分だけで足りてしまうため、水を飲む量が少なくなります。つまり、食事から十分な水分を摂取しているおかげで、わざわざ水を飲む必要がない状態なのです。
水を飲まないからといって、必ずしも異常ではありません。全体の水分摂取量を見て判断しましょう。
犬が水を飲まないときに注意するべき症状
犬が水を飲まない状態が続くと、体内の水分が不足して脱水症状を引き起こすおそれがあります。以下のような症状が見られる場合は、ただちに獣医師に相談しましょう。
- ぐったりして元気がない
- 尿の量が極端に少ない、または色が濃い
- 食欲がない
- 口の中が乾いている
- 皮膚を軽く引っ張ったあとに戻るのが遅い（皮膚の弾力低下）
- 下痢や嘔吐が続いている
とくに、老犬や子犬は脱水が進行しやすいため、少しでも異変を感じたら早めの受診が必要です。自力で水分を摂れない場合は、点滴が必要になることもあります。
まとめ
犬が水を飲まなくなる原因は、ストレス、病気、老化、季節の変化、または十分に水分が足りているなどさまざまです。
一時的でまったく心配がいらないものから命に関わる病気まで、背景には広い可能性が潜んでいます。なかでも「急に飲まなくなった」「元気がない」「他の症状も出ている」といった場合は急を要する場合もあり得ます。できるだけ早く獣医師の診察を受けることが大切です。
普段から水を飲む習慣をつけるには、清潔な水を常に用意し、器の置き場所や素材、温度にも気を配ると良いでしょう。
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