高脂血症の原因と治療法を徹底解説
犬の健康診断などで高コレステロールや高中性脂肪が見つかることがあり、その結果に驚く飼い主も多いでしょう。
高脂血症は、血中の中性脂肪(トリグリセリド)やあるいはコレステロール、もしくはその両方の血液検査値が正常値を超えている状態を指し、犬の健康に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。この記事では、高脂血症の原因、診断方法、そして治療法について、分かりやすく説明します。
高コレステロール・高中性脂肪の原因と診断
高脂血症には、コレステロールが高い状態(高コレステロール血症)と、中性脂肪が高い状態(高トリグリセリド血症)があります。それぞれの原因やリスクを理解することは、犬の健康管理において非常に重要です。
1. 高脂血症の原因
高脂血症は、以下の原因で発症することがあります。
- 食事と生活習慣:脂肪分の多い食事や過剰なカロリー摂取が原因となることがあります。高脂肪のドッグフードや人間の食べ物を与えすぎると、脂肪が過剰に蓄積されることがあります。
- 病気:糖尿病、甲状腺機能低下症、特定の腎臓疾患などが高脂血症を引き起こす原因となります。これらの病気は、脂質の代謝を狂わせ、血中の脂肪が増加します。
- 遺伝的要因:犬種によっては、遺伝的に高脂血症を発症しやすい場合があります。特にシュナウザーやダックスフンドなどがその例です。
2. 高脂血症の診断方法
治療に入る前に、まず高脂血症が一次性(特発性)なのか、二次性(他の病気が原因)なのかを確認する必要があります。
もし高脂血症が基礎疾患によるものであれば、その疾患を治療することで脂質異常は改善されることがあります。そのため、犬の健康状態に関する詳細な経過の聴取や、身体検査、血液検査、尿検査、腹部超音波検査などが行われます。その結果に基づいて、必要に応じて追加の検査(例:膵臓リパーゼ免疫反応検査など)を行うことがあります。
- 血液検査:血中のコレステロールやトリグリセリドの濃度を測定します。この結果を基に、高脂血症があるかどうかを確認します。食後12時間以上経過後、理想的には15時間経過後の空腹時に採血した検査結果が必要です。
- 甲状腺機能検査:甲状腺ホルモンの数値を確認し、低下していないかを調べます。甲状腺機能低下症が原因で高脂血症を引き起こしている場合があります。特に高齢犬で多く、いわゆるホルモン失調という病気の一つです。
- 超音波検査:肝臓や腎臓の状態を確認するために超音波を使うことがあります。
高脂血症の治療方法
高脂血症の治療は、原因を特定し、それに基づいて適切な対策を取ることが重要です。高脂血症には一次性と二次性があり、二次性の高脂血症(基礎疾患が原因のもの)では、基礎疾患の治療が最優先となります。以下の治療方法が推奨されます。
1. 食事療法
高脂血症の治療の基本は、低脂肪の食事です。特にトリグリセリドが高い場合、食事中の脂肪分を制限することが最も重要です。具体的には、以下のアプローチが推奨されます。
また、重要なポイントとして、おやつは1日のカロリーの10%未満に抑えるべきです。低脂肪のおやつに変更することが望ましく、果物や無塩の玄米クラッカーなどが代替として使えます。
2. 薬物療法
食事療法に加えて、薬物療法が必要な場合もあります。特にトリグリセリドが1000 mg/dL以上の重度の状態では、薬物治療が必要となります。トリグリセリドが高いと膵炎などの合併症を引き起こすリスクが高くなるため、早急に治療が必要です。
3. オメガ-3脂肪酸の使用
オメガ-3脂肪酸(特にEPAとDHA)は、悪玉コレステロールの生成を抑制し、血中トリグリセリド濃度の改善に役立つとされています。特に食事療法が不十分な場合には、魚油を使ったサプリメントの追加が考慮されます。
まとめ
犬で高コレステロールや高中性脂肪が見つかった場合、その原因と治療法を正しく理解することが重要です。
高脂血症は食事や運動、そして場合によっては薬物療法で管理することができます。特に基礎疾患が関与している場合は、早期にその治療を行うことが高脂血症の改善に繋がります。
愛犬の健康を守るためには、獣医師と協力し、治療方法を慎重に選択することが大切です。
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