犬が人間の赤ちゃんに抱く感情
犬は一緒に暮らしている人間に対して、仲間や家族のように認識するようになると考えられています。
それでは、人間の赤ちゃんに対しては、どのような感情を抱くのでしょうか?
守るべき存在と感じている
犬は、複数の個体で群れをつくって暮らしていた動物を祖先に持っています。そうした動物の本能や習性を遺伝的に引き継いでいるため、一緒に暮らしている人間や猫などに対しても、家族としての愛情と仲間意識を持つ傾向があります。
そのような中で、非常に小さく弱い赤ちゃんに対しては、成犬であれば「守るべき存在」認識することがあります。
メス犬の場合は母性本能による影響も考えられますが、オス犬の場合でも群れ(家族)の中にか弱い存在がいれば、それを守るのは当然のものと考えるようです。
飼い主さんに共感する
犬は人間の感情にとても敏感で、行動や仕草もよく観察しています。
そして、犬が赤ちゃんに対してどのような感情を抱くか、そしてどのような接し方をするかということについても、飼い主さんに影響されることがあります。
家族の中に赤ちゃんが加わると、赤ちゃんに注目が集まり、赤ちゃん中心の生活になりやすいと思います。
自分の好きな飼い主さんが赤ちゃんに優しく接したり、話しかけたりしている様子を見ると、犬はそれに共感して真似をするようになります。
また、赤ちゃんに優しく接したり仲良くしたりすると、飼い主さんが微笑ましく感じて笑顔になったり、犬をほめたりすることもあるでしょう。
そうした反応を見て、「赤ちゃんに優しくすると飼い主さんが喜んでくれる」と考える犬も少なくありません。
嫉妬している
赤ちゃんが生まれたことで、家庭の中心が愛犬から赤ちゃんに移ってしまうということはめずらしいことではありません。
愛犬に対する愛情が変わったわけではなくても、どうしても手のかかる赤ちゃんに家族の注目が集まるのは自然なことでしょう。
しかし、そうした変化を見て犬は赤ちゃんに対して嫉妬をしたり、飼い主さんに不満を感じたりすることがあります。
ストレスや不満が溜まりすぎてしまうと、イタズラなどの問題行動が増えたり赤ちゃんに攻撃するようになったりすることもあるので注意が必要です。
どう対応すべきか困っている
人間の赤ちゃんに対して、どんな犬も愛情を持って接するとは限りません。
小さく、予想がつかない動きをする「不思議な生き物」と認識して、どのように接したらいいかわからない犬もいると思います。
そのため、遠くから様子を見るだけで積極的にかかわろうとしなかったり、赤ちゃんや子どもが近づいてくると逃げたりする犬もいるでしょう。
こうした場合は無理に近づけるのではなく、飼い主さんが間に入って、自然に触れ合えるように少しずつ慣らしていくことが大切です。
また、日頃とても穏やかで攻撃的な行動を取らない犬であっても、赤ちゃんの突発的な泣き声や動きに対して驚くことはあります。
そのようなとき、思わず赤ちゃんにぶつかったりかみついてしまったりする事故が起こる可能性もあるので、絶対に犬と赤ちゃんだけにして目を離さないようにしましょう。
まとめ
犬は人間の赤ちゃんに対して、私たちと同じような感情を抱くということがわかっています。
群れ社会で生きていた動物としての本能から、小さな赤ちゃんを守るべき存在と認識して、見守りや保護をしようとすることもあります。
ただし、飼い主さんとの関係性などによっては、赤ちゃんに対して嫉妬したりストレスを感じたりすることもあることを忘れてはいけません。
愛犬と赤ちゃん、そして飼い主さんが仲良く楽しく暮らしていけるように、気持ちに寄り添って配慮してあげることが大切です。
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