1.目の病気
目がうるんでいる原因でいちばん心配なのが病気です。慢性的にうるんでいる場合は、病気が原因で目に炎症が起きている可能性があります。
犬の目がうるむ原因となる病気には以下が考えられるでしょう。
- 角膜炎
- 結膜炎
- 角膜潰瘍
- ものもらい
そのほかにも「異所性睫毛」が考えられます。異所性睫毛とは、本来まつげが生えるべきではない場所にまつげが生えてしまっている状態です。常に目を刺激する状態になるため目がうるむ原因になります。
いずれにしても、目に違和感があるのは辛いものです。早めに動物病院を受診しましょう。
2.アレルギー
次に考えられるのがアレルギーです。アレルギーが原因の場合は、両目がうるむという特徴があります。
犬のアレルギーの原因となりうる物質には以下があげられます。
- 花粉
- 黄砂
- ハウスダスト
- フードの原材料
花粉や黄砂は、春のイメージが強いと思いますが、実は春から秋まで注意が必要です。花粉が飛散する時期は地域によって若干の差はありますが、2〜10月まではなんらかの花粉が飛んでいると考えたほうが良いでしょう。
- スギ(2~4月頃)
- ヒノキ(3~5月頃)
- イネ科の植物(5~10月頃)
- ブタクサ(8~11月頃)
アレルギーが原因であれば、目がうるむほかにも、目の赤みやかゆみ、腫れ、脱毛などが見られます。
3.目にゴミが入った
ゴミが目に入ってしまったときにも目がうるみます。異物を洗い流そうとして、涙の分泌量が増えるのです。目にゴミが入ったときは、アレルギーとは異なり片目だけうるうるしているのが特徴です。
とくに目が大きいコッカー・スパニエルや目が飛びだしているシーズー、パグ、ブルドッグなどはゴミが入りやすいと言われています。
目に入ったゴミのほとんどは自然に流れるため問題になることはありませんが、手足でゴシゴシと目をこすってしまうときは注意が必要です。
眼球を傷つけてしまうと結膜炎の原因になることもあります。執拗に目をこすっているときは、犬用の目薬でゴミを流してあげると良いでしょう。
目にゴミが入る原因のひとつとして掃除や換気があります。掃除中や換気中はほこりが舞いやすいためほかの部屋に移動してもらうと安心です。
4.緊張や不安を感じている
犬は不安や緊張を感じているときにも目をうるませます。原因としては、イタズラやトイレを失敗して叱られるのではないかとビクビクしている、聞きなれない大きな音がしたなどが考えられます。
このようなときは、精神的に負荷がかかっている可能性が高いでしょう。愛犬の状態に応じたフォローが必要になる場合もあります。
また日頃から、できるだけ愛犬にイタズラをさせないようにする、失敗しない工夫をするなどの対策が必要です。愛犬が安全に過ごせるように室内環境を整えましょう。
5.期待や集中をしているとき
犬は飼い主さんに対して「遊んでくれるの?」「おやつくれるの?」など期待を寄せているときにも目をうるませます。期待で飼い主さんをじーっと見つめて、必死に感情を伝えようすると、自律神経が刺激されて涙腺に影響を及ぼし、目がうるむのです。
また何かに夢中になって集中しているときにも目がうるみます。このときにうるむのは、まばたきを忘れていて目が乾くことが原因なのだとか…。笑い話なのか、健気なのか、ちょっと微妙な気もしますね。
なお目の表面が乾くと、眼球を傷つけてしまうおそれがあるので注意しましょう。
まとめ
犬の目がうるんでいるときは、目に入ったゴミに対する反応などの生理現象の場合が多です。そのためほとんどは心配いりませんが、病気の可能性も否定できません。
たとえば以下のような症状が見られたら、病気やアレルギーが疑われます。
- 両目がうるんでいる
- 常にうるんでいる
- 目が充血している
- 目をかゆがって頻繁にこすっている
これらはあくまでも一例です。気になる症状があれば、早めに動物病院を受診し、適切な治療につなげましょう。
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