犬が口元を「パクパク」させる理由
突然、愛犬が口元を「パクパク」させている様子を目にすると、驚いてしまうことがありますよね。
犬が口元をパクパクさせるのは珍しいことではないのですが、頻繁に口元をパクパクさせる犬もいれば、全くしない犬もいます。
愛犬はどんなときに口元をパクパクさせることがあるのでしょうか。
今回は、犬が口元を「パクパク」させる理由について解説します。犬が口元をパクパクさせる直前の出来事にも注目してみましょう。
1.フェロモンのニオイを嗅いだ
発情中のメス犬から発せられるフェロモンのニオイを嗅いだとき、オス犬が口元をパクパクとさせることがあります。
空気中に漂うフェロモンのニオイを嗅いだとき、地面に落ちているフェロモンのニオイを嗅いだとき、口元をパクパクさせ、歯が当たってカチカチと音が鳴ることもあります。
地面には、発情中のメス犬のおしっこが残されていることがあり、フェロモンのニオイを感知したオス犬がニオイを嗅ぎ、舐めてしまうこともあります。
去勢しているオス犬にも、去勢していないオス犬にも起こり得ることです。
2.口の中に異常がある
口の中に異常があるとき、犬が口元をパクパクさせることがあります。
よくあるのが歯周病です。愛犬の口臭や歯石が気になるときは、すでに歯周病を発症している可能性が高いです。3歳以上の80%の成犬が歯周病であるとされています。
歯周病になり、口の中に違和感や痛みがあり、口元をパクパクさせることがあります。進行すると、歯がグラグラとしたり、骨を溶かしたり、頬に穴が開くなどすることがあります。
また、歯周病菌は血液を介して全身へと巡り、脳や心臓へと達し、病気の原因になることがあります。
愛犬が口元をパクパクさせることがあり、口臭や歯石が気になるとき、ごはんを食べにくそうにしているとき、かたいおやつ食べられなくなったとき、歯肉が赤く腫れている場合には、かかりつけの動物病院で歯科検診を受けましょう。
3.誤嚥または誤飲をしている
誤嚥または誤飲によって、犬が口元をパクパクさせることがあります。
「誤嚥」とは、食べようとして飲み込んだものが誤って気管に入ってしまっている状態です。口元をパクパクさせたり、咳き込んだりすることがあります。一方「誤飲」とは、小さいおもちゃなど、本来飲み込んだりしないものを誤って飲み込んでしまうことです。
誤嚥と誤飲はきっかけや原因は異なりますが、いずれも犬が口元をパクパクさせる症状が見られます。
直前の愛犬の様子を思い出してみましょう。ごはんを食べていましたか。お水を飲んでいましたか。おもちゃで遊んでいましたか。
ごはんやお水を飲み込むとき、誤って気管に入ってしまった可能性があります。おもちゃの破片を飲み込んでしまい、誤って気管に入ってしまった可能性があります。
飲み込んでしまったものが何であるか分からない場合もあるでしょう。
口元をパクパクさせたり、咳き込んだりし、苦しそうにしているときは、早急に動物病院へ連れていきましょう。
4.口腔内腫瘍
口の中に腫瘍ができているとき、犬が口元をパクパクさせることがあります。
犬の口腔内腫瘍には、メラノーマ(悪性黒色腫)、扁平上皮ガン、線維肉腫などがあります。
腫瘍や痛みによって、上手く口を閉じることができず、口元をパクパクさせることがあります。また、よだれが多くなりやすいという特徴があります。
口の中にしこりができ、細菌感染が起こりやすくなるため、口臭がひどくなるという特徴もあります。
よだれが多く口臭もひどくなったな…と感じたときは、愛犬の口の中をよく観察してみましょう。なるべく早く動物病院で診てもらいましょう。
まとめ
犬が口元を「パクパク」させる理由を4つ解説しました。
- フェロモンのニオイを嗅いだ
- 口の中に異常がある
- 誤嚥
- 口腔内腫瘍
パクパクさせる、もごもごさせる、くちゃくちゃさせるなど、表現は飼い主それぞれにあるかと思いますが、愛犬が口元を動かすことを異様に感じられるときは、動物病院で診てもらいましょう。
心配するほどではないけど…というときは、愛犬の口の中を隅々までよく見てみてください。口臭や歯石が気になるときは、歯科治療も検討しましょう。
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