犬が強風や雷雨を怖がる理由
強風や雷雨になると、怖がった犬が過剰に反応する場合があります。
落ち着きや食欲がなくなる、吠え続ける程度では済まず、隠れたまま出てこない、息が荒くなる、よだれを垂らす、嘔吐や下痢をする、物を壊したり噛み付こうとするといったようなケースもあります。
犬の性格は遺伝的要因の他に、生まれた直後の母犬からのケア、社会化期における経験、その後の生活環境や体験などが積み重なって形成されます。そのため、愛犬が極端に強風や雷雨に怯える場合、その原因にもさまざまなものが考えられます。
犬が強風や雷雨を怖がる一般的な理由には、下記が挙げられます。
①空気のニオイ、明るさの変化
②風や雨、雷の音
③稲妻の光
④強風や雷雨に関する怖い経験
⑤強風や雷雨を怖がり飼い主さんから優しくされた経験
⑥気圧の低下により持病の症状が悪化したなどの健康上の問題に起因
⑤と⑥の場合を除き、犬は強風や雷雨に対して「生命の危険」レベルでの恐怖を感じているために、過剰な反応を示していると考えられます。飼い主さんとしては、なんとかして落ち着かせたいと考えるのはとても自然なことでしょう。
そこで今回は、強風や雷雨などに対して愛犬が過剰に怖がっている時に、飼い主さんがすべきこと、してはいけないこと、留守番に備えて準備できることなどをご紹介します。
犬が強風や雷雨を怖がっている時に飼い主が行うべきこと
1.安全を確保する
大抵の場合、犬は恐怖を感じると物陰に隠れて身を潜めます。普段入り込んだことのないような思いもかけない隙間に入り込んでしまうかもしれません。避難している場所の安全を確保することを最優先しましょう。
2.直接的なことは何もしない
愛犬の安全を確保できたら、その後は直接愛犬に対して何もしないことが原則です。できるだけ普段と変わらない態度で過ごすことで、「怖がらなくても良い」ということを態度で示しましょう。
3.ひどい場合は獣医師に相談する
雨戸やカーテンを閉めて外の様子が室内に伝わらないようにしたり、いつもの遊びなどで愛犬の気を逸らしても、怯えたままでひどい身体症状が現れた場合は、かかりつけの動物病院に愛犬の様子を話して相談し、獣医師の指示に従いましょう。
強風や雷雨を怖がる犬の留守番中の対策方法
天候が悪化することがわかっていても、強風や雷雨を怖がる愛犬を家に残して出かけなければならない日もあります。
そんな日は、できるだけ留守中の愛犬に外の刺激が伝わらないようにしたり、愛犬が落ち着いて過ごせる安全な居場所を作ったりして対応しましょう。
例えば、雨戸やカーテンを閉めるとか、愛犬のケージやクレートの設置場所を窓から離し、タオルなどで全体を覆うことで外からの刺激を和らげます。
またラジオをつけたままにしたり、夢中になれる知育玩具を与えるといったことも、気を逸らせるのに役立つでしょう。愛犬や飼い主さんのニオイがついた毛布などを置いておくのも、落ち着かせる効果が期待できます。
愛犬の怯え方がひどい場合は動物病院に相談し、病気や加齢などの身体的要因が関わっていないかどうかを確認しましょう。身体的要因がなかった場合は、行動診療に詳しい獣医師に相談することをおすすめします。
脱感作によるトレーニング等の治療で改善できることが多いです。ご自身では見つけられない場合、かかりつけの動物病院に相談すれば、紹介状を書いてもらえるでしょう。
強風や雷雨を怖がる犬にやってはいけないNG行為
強風や雷雨を怖がっている愛犬に対して、決してやってはいけない行為が2つあります。1つは、叱ったり罰を与えて行動をやめさせようとすることです。その場から逃げ出したくてケージやドア、飼い主さんに噛みつこうとした場合によく見られる対応です。
愛犬は恐怖から逃れるために必死です。そこに追い打ちをかけるように罰を与えれば、ますます追い込んでしまいます。飼い主さんへの深い不信感にもつながりかねません。
2つ目は、必要以上に優しく接することです。怯えているため、なだめようとつい優しくしたり、抱きしめたりしたくなるでしょう。しかし「怯えると優しくしてもらえる」と学習してしまい、今後も必要以上に怯えてしまうようになることがあるからです。
まとめ
強風や雷雨に怯えている愛犬に対しては、「安全を確保すること」と「直接は何もせず、普段通りに接すること」が大切です。そして愛犬が怯えた時のために、日頃から室内を安全に維持し、愛犬が安心して過ごせる専用のスペースを作る等で備えておきましょう。
悪天候の度に強い恐怖心を抱くのは、愛犬にとってもつらいことです。飼い主さんの手に負えない場合はかかりつけの動物病院に相談し、健康状態に問題がない場合は、行動診療に詳しい獣医師を紹介してもらう等、愛犬のためにできる限りのことをしてあげましょう。
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