犬の記憶の驚くべきメカニズム
犬の記憶のメカニズムを研究した実験では、左脳と右脳それぞれに違った働きがあるとしています。
犬が言葉を記憶するとき、言葉そのものに反応するのが左脳、言葉のイントネーションに反応するのが右脳であることが分かったのです。
犬が左脳で言葉を記憶するときには、言葉と良い出来事が結びつくことが重要で、「おやつ」という言葉と「おいしいものを食べた」ということが結びついた結果、「おやつ」という言葉を記憶するなどです。
人間の顔を覚えることはできる?
実はあまり研究が進んでおらず、犬は人間の顔を覚えることができるのか、どのようなメカニズムによって記憶しているのか、よく分かっていません。
複数の写真の中から飼い主を見つけ出すことができたという研究結果からは、『犬は人間の顔を覚えて区別することができるのではないか』とも考えられています。
遠くにいる飼い主のことを見つめたり、遠く離れた人混みの中から飼い主を発見したりすることができるのは、顔を区別しているからではない可能性があります。
犬の視力は0.1~0.3程度であるとされており、グッと近づかなければ顔を確認することは難しいと考えられます。おそらく、ニオイや声、飼い主が発する音から遠くにいる飼い主のことを見つめたり、遠く離れた人混みの中から飼い主を発見したりすることができるのでしょう。
面白く不思議なのは、普段メイクをしない男性の飼い主がメイクをした顔で愛犬に会うと、飼い主だと認識されないことがあるということです。
ニオイや声、発する音、ヘアスタイルやファッションはそのまま、顔が変っただけで区別することができないことがあるのは、やはり顔を覚えているからなのでは…と考えられるのではないでしょうか。
犬が人間の言葉を覚える方法
ハンガリー大学の研究では、『情報を処理するときの犬の脳と人間の脳とでは、同じような働きをする』ということが分かっています。
犬の知能は人間の3歳程度で、記憶することができる言葉は平均して200程度。言語学的には、3歳頃の子供は1000の言葉を習得することができるとされていることから、犬の200という数は少なく、人間の3歳程度にも満たない可能性があります。
基本的に犬は短い言葉として覚えています。「ごはん食べる?」からは「ごはん」「食べる」という言葉を覚えます。
「ドッグランまでお散歩しに行く?」からは、「ドッグラン」「お散歩」「行く」と覚えるのでしょう。
愛犬に人間の言葉を覚えてもらうためのコツは、一貫して同じ言葉を使い続けることです。
子犬の頃の記憶はある?
引退した盲導犬がパピーウォーカーの元へ帰る、という動画を観たことがあるのですが、家族のことを覚えており、お気に入りだったおもちゃの記憶もあるのではないかと感じました。
自宅前の道路で再会し、家族よりも先に玄関に入って行く姿があり、迷うことなくリビングまで行くことができるのは、家の間取りまで記憶しているということなのではないでしょうか。
我が家には元保護犬がいますが、前の飼い主の記憶があるのかと、考えてしまうことがあります。もしも再会することがあれば、喜んではしゃいだりもするのでしょうか…。
まとめ
犬の「記憶」のメカニズムは、様々な研究が行われ、論文も多く発表されていますが、まだまだ不明なこともあります。「実はよく分からない」というのが現状なのです。
しかし、犬と暮らしていると、以前に会ったことのある人のことを覚えているなど、人間の顔を記憶しているのでは…と感じられることがありますよね。
ニオイや声で覚えている可能性の方が高いですが、犬には人間の顔を記憶することができる能力が少なからずともあると感じます。みなさんはいかがですか?
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