愛犬が他の犬に威嚇してしまう理由
散歩の最中にすれ違う犬に対して威嚇で吠えてしまう、という犬は多く飼い主さんのお悩みとしてもよく耳にすることがあります。
よその犬に対して威嚇を繰り返す子ですと、遊びに連れて行こうとしてもドッグランでもドッグカフェでも周りに吠えてしまって迷惑をかけてしまうと思って苦痛に感じてしまいます。
飼い主さんも、叱られてばかりの犬もお散歩自体がいやになってしまうでしょう。ではなぜ、犬の中には他の犬に対して「威嚇をしてしまう」子がいるのでしょうか。
そこで今回は、愛犬が他の犬に「威嚇してしまう」理由について、犬同士のトラブルを未然に防ぐための方法と合わせて解説します。
1.喧嘩をしたくないから
犬が他の犬に対して威嚇をしている場合、「これ以上近づかないで!」というサインである可能性があります。これは、(これ以上近づいてくると喧嘩になってしまうかもしれない)と感じて相手を遠ざけようとしているのです。
このような場合、犬を連れている飼い主さんは犬同士を速やかに離してあげましょう。適切な距離をとることで犬同士も威嚇するのをやめてくれます。
反対に、「犬同士を仲良くさせたいから」と無理に近づける行為はNGです。犬としては喧嘩をしたくないから威嚇しているのに、それを無視して近づけてしまうと、犬同士の緊張が高まってしまい、本当に喧嘩に発展することがあります。
犬が自分で「近寄りたくない、喧嘩したくない」と教えてくれているのですから、きちんとそのサインを理解し、速やかにその場から離れてあげましょう。
2.怖いから
犬の尻尾は、興奮度合のバロメーターです。機嫌がよい時はお尻ごとぶんぶんと振り回していますが、恐怖やパニックを起こしているときも実は尻尾を振り回しています。
また、お尻より尻尾を下げていたり、後ろ足の間に尻尾をはさんでいるときは、恐怖を感じていたり、敵意がないこと表していたりします。
ちなみに、尻尾を高々と上げながらけたたましく吠えている場合、その犬は極度の興奮状態です。この興奮は恐怖や緊張から来ることが多く、他の犬に対して尻尾を上げて吠えているのは、実は「それ以上近づいたら噛むぞ!」という威嚇行動の可能性があります。
一見威勢が良いように見えますが、犬自身は必死に虚勢を張っている状態です。このような状態になってしまった犬に対して他の犬を近づけると一気にパニックに陥り、相手に嚙みついてしまったり飼い主や他の人にけがをさせてしまったりする恐れがあります。
また、鼻の上にしわが寄っているのも、怖い気持ちで威嚇しているサインであることが多いです。そのため、とにかく早くその場から離れて落ち着かせてあげましょう。
3.この場から逃げたい
チラチラと相手を盗み見ながら低い姿勢、あるいは頭を低くした姿勢でうなり声をあげている場合、相手の犬に対して恐怖を感じていることが多く、できれば穏便に、これ以上近づかないようにしながら離れたい、相手を牽制しつつこの場から去りたい、という気持ちが強いようです。
そのため、そっとその場から離れると、何事もなかったかのように元気に歩き出します。喧嘩をしたり襲われたりしなくてほっとしているのかもしれませんね。
いずれの場合も、犬が威嚇をするということは「トラブルを避けたい」気持ちが強いからということになります。そのため、犬が威嚇しているときに大きな声で叱るのは逆効果であると考えられています。
大きな声で叱ることや、威嚇をやめさせようとリードを引っ張ったりすることは、逆に犬の興奮を高めることにつながります。
散歩の最中に他の犬に対して威嚇をするようでしたら、知らん顔をして道を曲がってみたり、明るく優しい声掛けで相手と距離をとる方向に歩く方がよいでしょう。
まとめ
犬がほかの犬に対して威嚇をするのは、犬同士がそれ以上のトラブルを防ぎたいのが理由です。お互いに距離を取って落ち着くために、「近づくな」と言っているわけですね。
通りすがりの犬に対して威嚇を繰り返す場合、お散歩の最中にその犬がとても緊張状態であることを気にしてあげましょう。
なるべく犬同士の距離をとって、犬同士が納得するペースで近寄る、あるいは離れるといった配慮をしてあげるとよいでしょう。
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