愛犬をしつけと称して押さえつけることで噛むようになる
愛犬をしつけと称して押さえつけるといった体罰は恐怖や不安といったネガティブな体験を与えることになり、その状況から逃げ出すために愛犬は強い抵抗を示します。
しかし強い抵抗を示そうとも押さえつけられ逃げることを許されないとさらに強い抵抗をするようになり、それでも逃げられないとわかると『噛む』という攻撃をしてなんとか逃げようと頑張るのです。
なかには諦めて抵抗することをやめてしまう子もいますが、それは決してリラックスしているのではなく変わらない状況に絶望し学習性無力感という抑うつ状態になっているに過ぎません。
それを勘違いしておりこうになったとするのは、犬を心から壊していっていることに気づいていないということ。
決して学習性無力感にして犬の心を壊すような真似はしないようにしましょう。
噛むことを最善の選択と覚えた愛犬は悪者にされてしまう
一方で噛むという選択をしてその場から回避することに成功した犬は、次からは早急に噛むという選択をしていくようになります。
つまり、これまではいろんなサインを送り「いやだ、やめて、離して」という意思表示をしていたのをやめてしまうということです。
そうなれば今度は「人間に歯を当てるなんてしつけができていない悪い犬だ」と悪者にされてしまいます。
「嫌だからやめてほしい」と言っても無視して追い詰めているのは人間の方なのに、必死に抵抗する犬を悪い犬とするのは醜悪すぎます。
また、飼い主さん自身も愛犬がそんな状態になってしまうのは望むところではないはずです。
愛犬と良好な関係を築きたいのであれば愛犬を追い詰め、噛むという選択をせざる得ないような環境にしてはいけません。
愛犬をしつけるという考えをやめたほうがうまくいく
しつけなければいけないと考えるせいで愛犬を追い詰めて噛むことしか選択できないような状態にしてしまうくらいなら、そもそもしつけるという考えをいっそのことやめたほうがうまくいきます。
しつけというのは結局見た人が「おりこうだ」と思うような振る舞いをしていればそう判断されるだけで、犬にとっては生きるうえで何も関係のない話です。
ただ人間社会で一緒に生活をするためには周囲が困らない立ち振舞を知っておくことは大切なので、そのために愛犬に協力をお願いするという考えや姿勢でいるといいでしょう。
そうした考えや姿勢であればあくまでもお願いをする立場ですので、愛犬を押さえつけてどうこうしようなんて考えは出てきません。
お願いと協力の先に人も犬も困らない結果があることは間違いないので、そうしたお願いする姿勢でどうか愛犬と向き合ってください。
まとめ
愛犬のしつけで押さえつける方法をおすすめされたりそうしたことを推奨するプロがいれば、それは迷わず回れ右をして距離をとってください。
愛犬にとっては常にすべての経験が本気です。だからこそネガティブな経験をさせるべきではありませんし、一生を飼い主さんと過ごすにあたって関係をマイナスにしていくような行いはすべきではないのです。
愛犬をしつけないといけないと考えることで押さえつける方法を選択しそうになってしまうなら、いっそのことしつけようという考えを捨ててお願いして協力する立場で愛犬と向き合いましょう。
そのためにお手伝いしてくれるプロもたくさんいますので、ぜひそうした手助けも検討してみてください。
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