犬の食事中に手を出すことの是非
犬が食べているときに手を出したことで犬が「唸ってきた」「噛まれた」ということですが、そもそもの話をすると、犬の食事中に決して手を出してはいけません。なぜなら、犬が食べ物を守るために唸る・噛み付くという行動は、動物として至って正常な反応だからです。
しかしなぜか人間は、犬が食べているときに手を出しても、唸ったり噛んだりすることなくお利口さんにしていてほしい、と考えてしまうようです。ですが、これは犬という動物のことを何も理解していないと言えるでしょう。
犬にとっては正常な行動や反応であるにも関わらず、人間にとって都合の悪い行動というだけで問題行動と言われているにすぎません。
そのため、それに反した行動をする犬に対して「問題行動」と判断し、さらには主従関係を正す必要があるからと厳しい「指導」が入ってしまうのは、人間の勝手な解釈なのではないでしょうか。まずは、犬の動物としての反応について学ぶ必要があります。
「奪われる!」と誤解させた犬のサインに気付くべし
本来の動物としてあるべき姿を考慮した場合、唸ったり噛んでしまう犬よりも、むしろ犬が食べているときに手を出すという行動をする人間の方が、問題行動をしていると言えます。
そして犬の方は「これは自分のだから取るのは許さない、取らないで、やめて!」と人間がわかるようにサインを出してくれているため、問題行動どころか、実にありがたい話なのです。
そのようにサインを出してくれるおかげで「あ、今この子は嫌がっているんだな」というのがわかりますよね。
犬は本当は唸るや噛むよりも、もっと手前にたくさんのサインを出しているはずです。しかし、バーバル(言語)コミュニケーションがメインで、かつ犬よりも鈍感な人間は、残念ながらなかなかその犬のサインに気付けない傾向にあります。
そのため、不快を伝えるための分かりやすい方法として「唸る」ことで、犬がわざわざ鈍感な人間に対して教えてくれているに過ぎないのです。
犬が食べ物を守らないために安心の提供を
ここまで話してもまだ「それでも人間に歯を向けるなんてとんでもないことだ!」と思う人はいるでしょう。犬からしてみれば、自分の所有物を不躾に奪おうとする人間の方がとんでもないことなのですが、人間とは我儘な生き物です。
では、食べ物を食べているときに手を出しても犬に歯を向けてほしくない場合、犬を殴ったり怒号で脅したりなどするしかないのかといえば、決してそんなことはありません。
犬は自分の食べ物を守るために必死に行動しています。そのため、犬が「(食べ物を)守らなくても大丈夫なんだ」と思えるようにすることで、守るための行動を減らすことができます。
例えば、今食べているもの、食べようとしているものよりも魅力的な別の食べ物を提供するのも有効です。また、日頃から手は奪うものではなく与えられるもの、という印象を持ってもらうことも大切です。
そうすることで犬は「奪われる!」ではなく「何かもっといいものが貰えるかも」と考えてくれるため、人の手が近づいたり今食べてるものを離してほしいとお願いしたとき、スムーズにそれに応えてくれます。
つまり、奪われるかもしれないという危機感ではなく、今あるものを手放しても別のものが与えられるという約束をするのです。
この方法であれば犬はポジティブな経験から学習をし、わざわざ人間が犬と争わなくてもよい結果が得られるでしょう。
まとめ
犬が食べているときに手を出すと唸る・噛むといった行動は決して問題行動ではありません。犬が食べ物を守るというのは、動物として生きる上で当たり前であり、正常な反応です。
しかし、人間にとってはそれは都合が悪いことで問題行動と言われ、言葉が通じないのだからと厳しいしつけをすべきだと解釈されてしまう傾向があります。
しかしそれは人間の身勝手であり、仮に食べている途中で手を出しても守るための反応がでないようにしたいのであれば、『そもそも食べ物は守る必要がない』という安心感を犬と約束して守るべきです。
そしてそのためには厳しい方法を選ぶ必要はありません。むしろ厳しくすることで関係を拗らせてしまう危険性がありますので絶対してはいけません。
どうか犬本来のあるべき姿や反応をきちんと学んだうえで、犬にとっても人にとっても優しく楽しい方法で関係性を築いていってください。
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