2025年1月1日に放送された「芸能人格付けチェック!2025お正月スペシャル」。
鬼龍院翔さんとDAIGOさんがカンガルー肉と牛肉とを間違え、リーダーのGACKTさんもろとも“映す価値なし”扱いとなり、テレビ画面上から姿を消したことが、大きな話題になりました。
その後、鬼龍院さんは自身のXにて、スーパーで牛肉を買う際に「周りの人に『カンガルーを牛肉だと間違えた人だ』と正体バレてたら恥ずかしい!」と思うようになってしまったと明かしており、かなりのトラウマになってしまった様子。
果たしてカンガルー肉と牛肉の区別はそこまでつけかないものなのか。気になったので実際にカンガルー肉を購入し、食べ比べてみました。
■ 元日の「芸能人格付けチェック!」で話題を集めた“カンガルー肉”
「芸能人格付けチェック!」は出演者がチームに分かれ、食べ物や芸術などについて、一流のものとそれ以外のものとを見分けることができるかを試す、という形式のクイズ番組です。
1月1日に放送された「芸能人格付けチェック!2025お正月スペシャル」では「すき焼き」をテーマに3種類の選択肢が登場。
「A:特売肉のすき焼き」「B:カンガルー肉のすき焼き」「C:老舗店のすき焼き」の中から、「C:老舗店のすき焼き(A5ランクの黒毛和牛の霜降り肉)」を選べば正解というルールでした。
特に「B:カンガルー肉のすき焼き」は番組内でも“絶対に選んではいけない”と強く言われていました。
にもかかわらず鬼龍院さんとDAIGOさんはそろって「B:カンガルー肉のすき焼き」を選んでしまい、チームのリーダーであるGACKTさんから「バカ舌か!」と怒られる結果に。
しかしながら改めて番組を見返してみると、正解者の中でも「B:カンガルー肉」と「C:老舗店」とで迷った人はそれなりにいたようです。なお、北海道日本ハムファイターズの新庄剛志監督も、同じくBを選び、画面上から姿を消しました。
果たしてカンガルー肉と牛肉はそんなに似ているのでしょうか……?
■ “カンガルー肉”と“安めの牛肉”を焼いて食べ比べてみた
今回用意したのはオーストラリア産のカンガルー肉。カンガルーと言えばオーストラリアのイメージがありますが、鑑賞したり触れ合ったりするだけではなく、食用としても重宝されているようです。
お値段は100g1280円。価格だけで言えば、個人的には十分に高級肉の範囲内です。
牛肉の方は、本当はA5ランクの黒毛和牛を用意したかったのですが、予算の都合で断念。代わりにアメリカ産のものを用意しました。100g218円です。
今回は番組内における「A:特売肉」と「B:カンガルー肉」を比べる方式ということです。
2つをお皿にのせて並べてみます。画像右側がカンガルー肉、左側が牛肉です。色味はまったく異なっており、カンガルー肉はかなり赤黒い色をしています。レバー系のお肉のようです。
生のままにおいを嗅いでみますと、カンガルー肉には独特のにおいがあります。獣臭とでも言うのでしょうか。とても臭い、というほどではないのですが、牛肉とはかけ離れています。
牛肉の方も嗅いでみますが、カンガルー肉を嗅いだあとだとほぼ無臭に感じます。
番組の内容に沿うのであれば「すき焼き」にすべきでしょうが、今回はよりお肉を感じてみたいので、シンプルに「焼き」でいただきます。
まずは牛肉から焼いていきます。下味もつけません。
焼き上がったら皿に取り上げ、次はカンガルー肉。焼くと先ほどの獣臭は少し軽減されます。
焼き上がった2種類の肉を嗅いでみると、今度は牛肉の方に臭みが出てきて、2つの間の違いは若干なくなりました。カンガルー肉の方がややにおいが濃い、といった程度でしょうか。
まずは何もつけず、そのまま食べてみます。
カンガルー肉は……レバーのような味です。見た目がかなりレバーに似ていたのですが、味も鉄っぽさ、血っぽさがあります。
食感はややパサパサしており、咀嚼するとすぐにほろほろと崩れていって、食べやすいです。味付けは一切していないものの、肉本来のうま味があって、レバーの味が好きな人であれば、そのままでも十分美味しく感じられる気がします。
続いては牛肉の方を食べてみます。安い肉のためか肉のうま味は薄く、カンガルー肉ほどの強い主張がありません。
また肉質も硬くて、カンガルー肉と比較すると、咀嚼して飲み込むまでにそこそこ時間がかかります。カンガルー肉とはまったく別のお肉だとわかります。
塩をつけて食べると、当たり前ですがどちらも食べやすくなります。カンガルー肉の方はレバーっぽいにおいが薄れ、より食べやすいです。
また胡椒をくわえて食べると臭みはほぼ完全に消失。どちらも肉本来のうま味だけが残ります。
そして問題はこの肉本来のうま味。
これ、安めの牛肉とカンガルー肉とを比較すると、カンガルー肉の方が圧倒的に強い……!
■ 2人が“カンガルー肉”と“高級肉”を間違えてしまった原因を考えてみた
安めの牛肉とカンガルー肉の2種類を食べたとき「いい肉」感があるのは、断然「カンガルー肉」だと思いました。肉が持っているうま味と、少ない力で咀嚼できる食感の柔らかさのためです。
すき焼きの割下のような強い味付けがなされていれば、なおさらだと思います。
鬼龍院さんとDAIGOさんがどのように答えを導き出したかはわかりませんが、2人とも3つの選択肢のうち、「A:特売肉」はおそらくすぐに消えたのではないかと推察します。
お2人とも「B:カンガルー肉」と「C:老舗店」の2択になり、どちらにするかを迷った際に、「どちらが高級な牛肉か」ではなく「どちらが美味しいと感じたか」を基準に選んだのではないでしょうか。
カンガルー肉を選んだ直後の2人の感想コメントがどちらも「Bの方が美味しかった」だったのを聞いて、筆者はそう思いました。
「C:老舗店」で用いられているお肉はA5ランクの黒毛和牛の霜降り肉であり、カンガルー肉の赤身系の味わいとは明確に違いがあるはず。
なので「どちらが美味しく感じたか」ではなく「どっちが高級そうな肉か」という観点で選べば、鬼龍院さんもDAIGOさんも正しい答えを選べていたかもしれません。
とはいえ筆者も今回、老舗店のお肉とカンガルー肉とを食べ比べられてはいないので、これ以上の言及は避けます。高級牛肉とカンガルー肉との間には、もっと複雑な違いがあるかもしれませんので。
そして何より、2人が尊敬してやまないGACKTさんを、絶対に番組から消すわけにはいかない、という並々ならぬプレッシャーが、味覚と判断を狂わせてしまった……に、違いありません。
(ヨシクラミク)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By YoshikuraMiku | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2025011504.html