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「知覧特攻平和会館」がクラウドファンディングで支援募る 設備リニューアルへ向け200万円目標


鹿児島県南九州市は「知覧特攻平和会館」のリニューアルを目指し、株式会社さとふると連携してクラウドファンディングを開始しました。プロジェクトは第二次大戦末期の特攻隊員に関する展示の強化を目的とし、最新技術のプロジェクションマッピングを用いたジオラマ展示を導入予定です。寄付は一口5000円から受付、返礼品はペア入場券やオリジナルポストカードセットです。目標金額200万円に対して11万円の寄付が集まっていますが、目標未達成の場合でも寄付金は自治体内で使用されます。

戦後80年「知覧特攻平和会館」リニューアルプロジェクトページ(2024年11月21日時点)

 鹿児島県南九州市と株式会社さとふるが、「戦後80年『知覧特攻平和会館』リニューアルプロジェクト」の寄付受け付けを「さとふるクラウドファンディング」を通じて行っています。

 館内のジオラマに最新のプロジェクションマッピングの技術を組み込み、より詳細に特攻基地の軌跡を伝えることが目的とのこと。寄付の受付期間は11月5日から2025年1月31日まで。目標金額は200万円となっていますが、開始から16日たった現在(本稿公開時点)までの寄付合計額は11万円です。

 知覧特攻平和会館は、鹿児島県南九州市知覧町郡にある歴史博物館。

 第二次世界大戦末期の沖縄戦において、特攻を行った陸軍特別攻撃隊員の遺品や関係資料を展示しており、昭和62年の開館ながら、今も毎年40万人程の方が訪れています。

 しかし、40年近く経過する中で、施設内の一部設備は老朽化が否めない状態に。

 そこで、令和7年に戦後80年を迎えるタイミングで、近年発達したプロジェクションマッピングの技術を用いた知覧飛行場を紹介するジオラマ展示を作ることにより、「映像でも当時を偲び後世に記録を残したい」という思いから、本プロジェクトの発足に至りました。

 リニューアル対象となるのは、遺品室にある、当時の知覧飛行場を再現した「知覧の空」と題されたジオラマ。

 施設名称ボタンを押すと、ジオラマ上にあるランプが点くようになっていますが、これにプロジェクションマッピングの技術を用いることで、点在する戦跡と基地の位置関係がより分かるようになります。

 また、基地から特攻機が出撃して行く様子、最後に知覧の空を飛び立つ様子、開聞岳上空を飛行する様子を、立体的な動きで追えるようになるとのこと。館内の遺影、遺書、遺品等の展示と合わせれば、より当時の隊員の思いが身近に感じられることでしょう。

 今回のプロジェクトへの寄付は一口5000円より。通常のクラウドファンディングのような返礼品はありませんが、希望の方には知覧特攻平和会館からお礼として、ペア入場招待券と館のオリジナルポストカード(6枚1組)が、寄附受領証明書に同封して届けられるそうです。希望しない場合は、全額が事業費に充てられます。

 万が一受付期間内に目標金額に到達しなかった場合でも寄付金は返還せず、自治体内で使い道を検討し、各種の事業に活用されるとのことでした。

 本プロジェクトに際し、南九州市は「戦争を知らない世代が増える中で、今日の平和は特攻隊員をはじめ、戦争で命を落とされ、または御苦労された方々の礎の上にあることを忘れてはなりません。特攻隊員を見送った地に立つとき、特攻の史実と特攻隊員お一人おひとりの思いを後世に伝え、命の尊さ、平和の大切さを語り継いでいかなければならないことを改めて強く思います」と、思いをコメント。

 続けて、「本プロジェクトをきっかけにこの地を訪れる皆様にも、ぜひ一緒に思い、祈っていただきたいと考えております。皆様の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げます」と、プロジェクトへの協力を呼びかけています。

<参考・引用>
さとふるクラウドファンディング「戦後80年『知覧特攻平和会館』リニューアルプロジェクト
株式会社さとふる 2024年11月5日発表プレスリリース
※画像はプロジェクトページのスクリーンショットです。

(山口弘剛)
 

Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 山口 弘剛‌ | 記事元URL https://otakuma.net/archives/2024112106.html
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