大阪にある動物プロダクション「サイエンスファクトリー」の代表である奥平さんが、たぬきの赤ちゃんについて会社の公式X(Twitter)で注意喚起。
「子犬や子猫と勘違いして誤認保護しないように気をつけて下さい」と、呼び掛けています。
投稿によると、今の時期に“黒っぽい動物の赤ちゃん”を見つけた場合はすぐに触らず、少し待つように促しています。なぜなら、それはたぬきの赤ちゃんかもしれないとのこと。
赤ちゃんの近くには親のたぬきがいて迎えに戻ってくるので、静かに見守ることで家族が再会する手助けになるそうです。「たぬきの親子の絆を大切に……そっと見守ってあげましょう」と語ります。
投稿ではたぬきと犬の赤ちゃんの写真も紹介されていますが、たしかによく似ています。よほど知識のある方じゃない限りは見分けがつかない人が多いことでしょう。写真を見た人からも、「間違えちゃうかも」「見分けつかない……」などの声が寄せられています。
■ 注意喚起した理由をくわしく聞いてみた
―― たぬきが出産するのは、今の時期のみなのでしょうか?
出産時期は5月から6月ごろまでのタイミングが多く、平均的に4~6頭程度を出産します。
―― なぜ触ってはいけないのでしょうか?
たぬきは視力があまり発達していないため、周囲の状況を把握する際には主に聴覚や嗅覚に頼ります。特に嗅覚は、たぬきが重要な判断を行う際の主要な感覚です。
新生児の個体を識別する際、母親のたぬきは主に嗅覚情報を使用します。もし人間がたぬきの子どもに触れると、人間のニオイが付着して母親のたぬきが「これは自分の子どもではない」と誤認する可能性があります。
このような誤認を防ぐため、野生動物の子どもには人間が触れないことが推奨されます。母親のたぬきの本能的な育児行動を妨げないためにも、人間の介入を最小限に抑えることが重要です。
―― たぬきと犬の赤ちゃんの簡単な見分け方などはあるのでしょうか?
残念ながらたぬきの赤ちゃんを見たことのない方が犬の赤ちゃんとの違いを見つけるのは難しいように思います。
―― それでは、もしも勘違いして誤認保護してしまった時はどうすれば良いのでしょうか?
各地方自治体に設けられている鳥獣保護センターや自然保護課などに相談して下さい。
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都会で暮らしていると野生のたぬきの赤ちゃんに遭遇する確率は低いかもしれませんが、もしもの時のために覚えておくことは大切。1頭でも多くのたぬきの親子の絆が壊れてしまうことがないよう願います。
<記事化協力>
SCIENCE FACTORY ltd.公式X(@1996SF)
(佐藤圭亮)
Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮 | 配信元URL:https://otakei.otakuma.net/archives/2024052801.html