佐賀県武雄市にあるテーマパーク「森とリスの遊園地 メルヘン村」。遊園地や動物園、アスレチックなどが併設された家族向けのレジャー施設なのですが……。
その公式X(Twitter)が「狂気すぎる」「メルヘンさ微塵もない」「怖い……!」「カオス」などなど、レジャー施設のXアカウント向けではない評価ばかりを得て話題になっています。
編集部でも確認してみましたが、一見すると「お化け屋敷」あたりのホラー系アカウント。え、どういうこと?もしかしたらなりすまし?あまりに不安すぎたので、メルヘン村に問い合わせてみました。
■ 「検索してはいけない言葉」を思い出させるカオスぶり
そもそもアカウント名が「メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村」となっていて、怪しさ満載。このような事を家族向けテーマパークの公式がするだろうか。
さらに固定ポスト(ツイート)で公開されている、マスコットキャラクター「ドン・グリス」が登場するMVのような動画も怪しさ100%。というか怖い……。
「ドンドンドンドン、ドン・グリス!ドンドンドンドン、ドン・グリス!」とリズミカルな音楽に合わせてドン・グリスの顔が増えたり、顔の色が不気味に変わったりするカオスな内容。かつてインターネットで流行した、「検索してはいけない言葉」で出てくるブラクラ動画のような雰囲気です。
※「検索してはいけない言葉」とは……ブラクラ、恐怖映像などが検索結果に出てくるワードのこと。「ネット版きもだめし」みたいなもので、今から15年ほどまえに大流行した。有名どころでは「ぷりんてぃん」などがある。(ぷりんてぃんの現在については『伝説の電波系サイト「愛の妖精ぷりんてぃん」初代運営者にインタビュー』にて詳報済)
気を取り直して日常投稿にも目を向けると、誰もいなくなった夜の園内でメリーゴーラウンドが作動しており、誰も乗っていないと思ったらマスコットキャラクターが1人で乗っている怖い動画が……。これファミリー向けなの本当に?
他にも雨が降ってしまったことを悔やみ、「メルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさいメルヘン力が足りなくてごめんなさい」と、クセが強いつぶやきも。
見れば見るほど公式かどうか疑わしくなってきます。そこで意を決しメルヘン村に連絡して担当者に聞いてみたところ0、「公式アカウントでございます」と回答が。マ、マジかよ……。
そこで現在のような投稿をするようになったきっかけなど、X(Twitter)の中の人にインタビューしてみましたが……これもカオスだった。
■ 2019年の買収がきっかけ
――現在のような投稿は最初からでしょうか。それとも何かきっかけがあって現在のような方針になったのでしょうか?
2019年にメルヘン村は近くの忍者村に買収されたよ^^ その時に忍者たんからツイッターのやり方おしえてもらったんだ~^3^
――あ……はい(記者心の声:キャラを貫いて対応する方針か……承知した)。
ところで、夜の園内や自虐的な投稿をされていますが、意識して投稿をしているのでしょうか?
メルヘン村の投稿は全部メルヘンを意識ちていゆよ^^
――(記者心の声:想定範囲内の反応だ、落ち着け自分)
では、投稿はX(Twitter)担当者が1人でおこなっているのでしょうか?それとも複数人いらっしゃるのでしょうか?
ボク1人でやっていゆよ^^ でもたまに現実村の人がアカウント乗っ取ってくるんだ~>< 鋭意対策中だよ><
――「現実村」とは????なんですか???(素)
現実村とは、2021年4月1日に突然メルヘン村のX(Twitter)上に出現したテーマパーク。
正式名称は「勤労と納税の遊園地 現実村」で、それ以来4月1日になるとメルヘン村のアカウントを乗っ取ります。
――あ、4月1日(エイプリルフール)にだけ「現実(正気)」になるんですね。ちなみに、ネットの一部では「メンヘラ村」とも呼ばれているようですが、お客さんからの評判はいかがでしょうか?苦情やクレームなどが来たことはあるのでしょうか?
メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村メルヘン村。
――(記者心の声:ごめんなさいごめんなさい……ブラクラ踏んだ気分!!落ち着け俺)
話題を変えます。逆に嬉しかった反響にはどのようなものがありましたでしょうか?好意的な反応の方が多いのでしょうか?
「メルヘンになれました」ってよく言われゆよ^^ とてもうれちいよ^^
――(記者心の声:ほっ。ちゃんと回答があった。もうこの方向でいい、十分いい!)
では、最後にX(Twitter)担当者だけが知っているメルヘン村のオススメスポットがありましたら教えてください。
メルヘン村はどのスポットもオールメルヘンでみんなの実家だよ^^ 年中無休でみんなの帰省を待ってゆよ^^
* * * * *
記者の心の声とともにインタビュー内容をお送りしましたが、とにかく始終Xの投稿どおりのキャラクター。その点ブレはありません。よって、話をうかがえばうかがうほど、インターネット黎明期のカオス空間に戻った気分でした。
さて……気を取り直して、まとめに入ります。
1992年に開園したメルヘン村。2011年に当時の運営会社が倒産して、2019年に「佐賀元祖忍者村 肥前夢街道」を運営する会社に買収され、子会社に。これがきっかけでメルヘン村のX(Twitter)が現在のようなスタンスになったのは間違いないようです。
これからもカオスな投稿は続ける様子なので、現在の方針を気に入っているフォロワーのみなさんはその点安心してもよさそうです。そして気になるのが4月1日の「現実村の日」。来年のエイプリルフールが少し楽しみになってきました(震え声)。
<記事化協力>
森とリスの遊園地 メルヘン村(@MarchenVillage)
森とリスの遊園地 メルヘン村公式ホームページ
※画像はメルヘン村公式X(Twitter)のスクリーンショットです。
(取材・撮影:佐藤圭亮)
「メルヘン村公式アカウント」が狂気すぎると話題 懐かしの「検索してはいけない言葉」を思い出させるカオスっぷり | Publisher By おたくま経済新聞 | Edited By 佐藤圭亮