枯れているのにキラキラ輝いている不思議なヒマワリ。ガラス細工だからこそできる相反する世界の共存です。この作品を作ったのはガラス細工作家の「Utsusemi_Glass Sculpture」さん。
作品を見た人たちも「美しい」「素敵」と、幻想的な世界に引き込まれているようです。
Utsusemi_Glass Sculptureさんは、薔薇や紫陽花など植物を中心に日常にあるものを透明なガラス管を使用し、立体的な作品を作り続けています。
今回SNSに投稿した枯れたヒマワリのアイデアも、普通のヒマワリをガラス細工で作っていた時に生まれたといいます。近所に咲いていたヒマワリを参考にしていたUtsusemi_Glass Sculptureさん。
その中にはすでに枯れてしまっていたヒマワリもあり、「この枯れた感じをガラスで表現できたら面白いかな?」と軽い気持ちで作り始めたそうです。
ガラス細工はガスバーナーを使用する特殊な加工方法。下書きや設計図などは無く、「やる!」と決めたら作業にうつります。
そのため失敗することも数え切れないほどありますが、この過程を繰り返すことでヒマワリの形にあった加工のアイデアが生まれてくるのだとか。
■ 枯れ葉のパーツに苦労
試作も含めて完成までにかかった日数は20日で、時間にすると約60時間。その他にも実物を見たり、加工方法などを考える時間も加わります。一番大変だったのは枯れ葉の部分とのこと。
枯れ葉は言うまでもなく「枯れたヒマワリ」では、非常に重要なパーツです。この部分のクオリティーが作品の印象を左右すると言っても過言ではありません。乾燥して丸くなり、パリパリした枯れ葉の感じを出すのは特に苦労したと振り返ります。
さらに毎回、癖のあるパーツをどうまとめて組み上げるか悩むそう。この作業が加工以上に時間がかかり、今回も枯れ葉の位置を決めるのに何時間も費やしたと明かします。
■ こだわっているのは「第一印象」
Utsusemi_Glass Sculptureさんが作品を作る上でこだわっているのは「第一印象」。作品を見た瞬間にスッキリと仕上がっていることが大事なのだとか。「作った苦労が滲み出ていたらダメ」と語ります。
見てほしいところは、「ガラス特有の質感と輝き」とUtsusemi_Glass Sculptureさん。透明なガラスのみを使用しており、割れるギリギリの加工をしているそうです。美しい作品の裏には繊細で緻密な作業がたくさんあるんですね。
現在Utsusemi_Glass Sculptureさんは、薔薇の作品を作成中。今後は「枯れた薔薇」も作りたいと意気込んでいました。
<記事化協力>
Utsusemi_Glass Sculptureさん(@UtsusemiGlass)
(佐藤圭亮)