ケーキの中に広がる幻想的な海の世界。この不思議な空間を作り出したのは、ガラス作家の林彩加さん。小さな家の上を、イルカやクリオネなどが気持ち良さそうにスイスイ~。
SNSに投稿された作品には、「素敵」「綺麗すぎる」などの声が寄せられ、多くの人を虜にしています。
林さんは埼玉県蕨市に工房をもち、ガラス作家として活動しています。パートドヴェールという石膏の型にガラスのかけらを詰め、窯の中で溶かして作る技法でこれまで数多くの作品を生み出してきました。
■ イチゴのショートケーキの中に広がる真っ青な海の世界
今回は「ガラスの海のケーキが完成しました!」とSNSで報告した林さん。
形はイチゴのショートケーキ。しかし、中身はスポンジや生クリームではなく、真っ青な海の世界。海底に小さな家があるので夜空をイルカやクリオネが泳いでいるようにも見え、ファンタジックな世界観が広がっています。
■ 子どもたちも楽しめるように
ガラスの海のケーキのアイデアは数年前からあったものの、他の作品づくりに追われてなかなか形にすることができなかったそうです。
行動にうつすきっかけとなったのは展覧会が決定したこと。ガラスのアート作品をあまり見たことがない子どもたちにも楽しんで貰えるよう、さまざまな工夫が凝らされています。
ガラスの海のケーキは、1つ作るのに2週間ほどかかるといいます。海を泳いでいるイルカやクリオネなどは、サンドブラスト機で細かい粉を吹きかけて彫られています。
ガラスの海のケーキということもあり、透明感にこだわって制作。透明に作ることにより、イルカやクリオネなどが反射してたくさん泳いでいるようにも見えるそうです。写真だけでなく、生で見てみたくなりますね。
「アート作品をより身近に感じ、親しみをもってほしい」と林さん。展覧会は蕨市歴史民俗資料館で10月14日~12月25日までの期間開催されます。
ちなみにガラスの海のケーキは、10月の展覧会のために作られているので「まだどこでも販売した事がない新作です」とのことでした。
<記事化協力>
林彩加さん(@koloro_glass)
(佐藤圭亮)