イラストレーターのオオジカオリさんは、兵庫県・香住海岸の東部に位置するかえる島を訪れた際、海岸に漂着していた謎の板を発見。板にはなにやら文字が彫られていました。
持ち帰って刷ってみると、その板は約半世紀前のものと思われる年賀状の版画板だったのです。50年前のモノが、なぜ令和の時代のこの場所に?
オオジカオリさんが最初に年賀状の版画板についてTwitterへ投稿したのは、2022年3月16日。当時はあまり注目されませんでしたが、このごろTwitterで流行している「#フォロワーの8割が経験したことないこと」というハッシュタグをつけて投稿したところ、1年越しに大注目を集めることになったのです。
当時は、「謎文明の文字が刻まれた石版が漂着している!と思ったら違った」とツイートしています。
その後、「刷ってみた」と投稿した写真には「新年おめでとう」「今年もよろしく」の文字が。漂着していたものから刷られたとは思えないほど、文字が綺麗にうつされています。西暦の部分は「1971年」とも「1978年」とも読めます。どちらにしても凄い年月だ……。
■ 発見!墨をつけて刷ったら読めるようになるのでは?
詳しい話をうかがうと、発見した日は波も穏やかで漂着物も多くなかったそう。年賀状の版画板は波打ち際に寄せられた海藻などと一緒に落ちていて、袋などに包まれているわけでもなかったといいます。
最初に発見した時は四角い石板のような印象だったのだとか。「オーパーツみたい」と、惹かれて拾い上げたそう。その際に何か文字が彫られていることに気づき、横向きから縦向きにしてみたら賀詞のようなものが見て取れ、年賀状だということが判明。
しかし、西暦の部分が判然としませんでした。そこで「墨をつけて刷ったら読めるようになるのでは?」と、持ち帰ることにしたそうです。
■ 1971年か1978年に小学生だった人?
オオジカオリさんは「半世紀も海中を漂っていたにしては状態が良すぎる」と思い、「海に出たのはそう遠くない過去」と推測。蔵の取り壊しなど、何らかの理由で昔のものを処分した際に出たゴミが流出して、流れ着いたのではないかと考えています。
持ち主についても、1971年か1978年に小学生だった人と推理。1965年~1970年ごろ生まれて、現在は53歳~58歳。小学生の時に冬休みの宿題で版画の年賀状を作ったのか、それとも年賀状を1枚ずつ手書きするのが面倒だと思って版画にしたのか……など、想像を膨らませています。
なお、この版画板は現在でも大事に保管しているそうです。
■ 持ち主もしくは届いた人が現れる?
他にも「男性だったのかな?」とか、「工作が得意ではなく、版画にしたものの思うように彫れなかったのかな?」など、様々なことを想像することができて楽しいと語るオオジカオリさん。持ち主が現れることはあるのでしょうか。
この年賀状の版画板は4万1000件を超えるいいねを集め、「浪漫を感じる」「子どもの頃にゴム版で年賀状を作りました」「この年賀状が届いた人が出てきたら面白いな」などのコメントが寄せられ、多くの人を楽しませています。
<記事化協力>
オオジカオリさん(@ojikaori)
(佐藤圭亮)