タカラトミーは変形型月面ロボット「SORA-Q」を1/1スケールで再現した「SORA-Q Flagship Model」を9月2日に2万7500円で発売。
スペシャルモデルとして漫画「宇宙兄弟」とコラボした「SORA-Q Flagship Model -宇宙兄弟EDITION-」も同時発売。価格は3万3000円とのこと。
そもそも「SORA-Q」とは、タカラトミーがJAXAなどと共同開発した超小型の変形型月面ロボット。JAXAの小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」に搭載され、2023年8月以降に打ち上げ予定。月面着陸後は着陸機から放出されデータ取得を実施。ミッションを終えると挙動を停止し、そのまま月に残ることになっています。
2022年3月に発表された当初は「おもちゃのアイデアが盛り込まれている」「世界でも珍しい球体から変形する探査ロボットが誕生」と話題になりました。
■ タカラトミーとJAXAが試行錯誤を繰り返して完成
「SORA-Q」企画のスタートは「玩具会社らしいユニークな探査機が作りたい」という想いからだといいます。機械工学や宇宙工学を学んだ社員等などによって結成された開発チームは、それぞれの分野から意見を出し合い、そこに玩具の柔軟な発想を組み合わせていったそう。
開発過程では、月面環境を想定したさまざまな課題に直面。JAXAの研究者たちと多くの議論を重ね、登坂性能や変形機構、形状やサイズ、質量など試行錯誤を繰り返したのだとか。過去の玩具技術をヒントにするなど20回以上の機構試作を経て、ようやく「SORA-Q」は完成したそうです。
■ タカラトミー「月や宇宙飛行士に関する知識を得られる」
このような経緯で開発された「SORA-Q」。月に行く機体と同じ直径約8cmで再現される玩具は、実物と同じ変形機能やバタフライ、クロール走行も可能です。
操作は専用のアプリを使用。リモートで前後左右の移動や変形を指示したり、本体に付いているカメラで写真撮影やARを駆使した月面探査の疑似体験などもできます。タカラトミーはこれらの体験により、「月や宇宙飛行士に関する知識を得られる」とコメントしています。
情報提供:株式会社タカラトミー
(佐藤圭亮)