ツイッターユーザー「1031(いちまる)」さんが投稿した、指でつまめるほどの極小サイズのジオラマ。紙で作られた小さな魚たちがひしめく様子は、それだけでも見入ってしまう出来栄えですが、このジオラマにはあるテーマが隠されているんです。
実は登場している生き物のモデルは「チリメンジャコに混じっていた生き物たち」しばり。その数なんと20種類近く。そんなに多くの生き物が混ざっていたとは……知らなんだ。
1031(いちまる)さんは、理系大学院生として学業に励む傍ら、海の生き物を中心としたペーパークラフト作品を制作し、SNSで公開するなどして活動中。その作品はどれも、一見しただけでは紙で作られているとは思えないほどの高いクオリティを誇ります。
■ 子ども時代「チリモン」を夢中になって探していた思い出
そんな1031(いちまる)さんが、今作を制作したのは、スーパーで偶然、通常よりも多くの生物が含まれたちりめんじゃこを発見したことがきっかけでした。
自身が小学生の頃に、「チリモン」と呼ばれるこれらの生物を、夢中になって探していたことを思い出し、現在の趣味であるジオラマとしてまとめようと思い立ったそう。
ちなみにチリモンとは「ちりめんモンスター」の略。ちりめんじゃこに混じっている、小さなイカやカニなどじゃこ以外の生物のことを指し、「チリモン」を好んで集めている「チリモンハンター」と呼ばれる人も存在しています。
■ 生き物の大きさは現実に準拠
今回の作品では、マダイ、マアジ、クロホシイシモチ、エビ、マエソ……など、多くの生き物たちを再現。縦横3cm、高さ4cmという極小のジオラマの中にひしめく作品において、1031(いちまる)さんが特にこだわったのは「生物のスケール感」。
サイズは小さくても、普段の作品と同じ見栄えになるよう、生き物の大きさは現実に準拠。その工程もツイッターにて紹介されていますが、たしかに種類ごとにサイズそっくりに再現されているのが分かります。
途中生き物の配置に納得が行かず、一度作り直すというトラブルにも見舞われましたが、そうした甲斐もあり、1031(いちまる)さん自身も大いに納得の行く仕上がりになったようです。
作品単体でも十分に美しいことは間違いありませんが、市販のちりめんじゃこがテーマになっていると知ると、より作品に味わい深さが加わりますよね。今度スーパーでちりめんじゃこを買う時は、中をじっくりと観察してみようと感じた筆者でした。
<記事化協力>
1031(いちまる)さん(@Itimaru1031)
(山口弘剛)