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針金380mで「手編み」したチェインメイル FF14愛によるリアルなコスプレ衣装


針金から「手編み」したというオルシュファンのチェインメイル(KEIさん提供)

 ないものは作ればいい、というのがコスプレの醍醐味。自作の衣装やアクセサリー、小道具は、キャラへの深い愛を感じさせてくれます。

 ファイナルファンタジー14(FF14)に登場するキャラ、オルシュファンが着用しているチェインメイル(鎖帷子)を380mもの針金から手作りしたというツイートが注目を集めました。イイ……すごくイイぞ……!

■ オルシュファンへの思い入れから自作を決意

 画像をツイートしたコスプレイヤーのKEIさんによると、このチェインメイル(鎖帷子)は4年ほど前に手作りしたものだとのこと。「銀剣」の二つ名を持つオルシュファンはFF14の中でも重要なキャラであり、その生き様に感動したことから、その愛をコスプレで表現したいと考えたのだといいます。

 コスプレ衣装を制作する際、生地感や素材にこだわる派だというKEIさんは、オルシュファンの衣装を作るにあたり、金属製のチェインメイルは必須だと考えました。ところが、既製品は男性サイズしか見当たらず、しかも高額。そこで自作することに決めたのだとか。

 チェインメイルは、針金で作ったリングをつなぎ合わせ、編むようにして作られています。参考にしたのは、海外の方によるチェインメイル制作ブログ。針金からリングを作り、それをつなぎ合わせる手法だったため、それを真似て作り始めました。

針金でリングを作ってつなぎ合わせていく(KEIさん提供)

 チェインメイルを「編む」といっても、素材となる針金がどれくらい必要になるのか、見当がつきません。このため、何度か針金を買い足したといいます。

 「最初は『まぁ、これだけあれば足りるだろ……』と根拠もなく針金を100m買ったのですが、胴体の半分にもならず200m買い足し、それでも袖が足りずまた100m買い足し……という感じでした(笑)」

針金を編み進めていく(KEIさん提供)

 使った針金はトータルで380m。1日3時間の作業で3か月を費やし、撮影日が迫ったため最後はご家族の手も借りながらオルシュファンのチェインメイルは完成しました。当初は2週間くらいと見積もっていたそうなのですが、思いのほか長い道のりだったようです。

 素手で作業を行っていたため、せっかく綺麗にしていたネイルが針金で削れてしまうという弊害も。事情を知らない会社の同僚からは「何かあったなら話聞くよ……?」と心配させたこともあったそうです。まさかチェインメイルを作ってるといっても信じてもらえないでしょうし……。

■ 見た目だけでなく重量も「リアル」

 完成したチェインメイルは本物に近い素材と手法を使っているため、重量の面でも本物並み。最初に袖を通した時は感無量だったそうですが、その後参加した撮影会イベントで、実際の重量など使い勝手面での短所を思い知らされたのだとか。

 「頑張って作った衣装だから気合いの入ったロケーションで撮影したい!ということで雪の中で撮影したのですが、すごく重い上に冷えると服の上からでもガンガンに冷えるので、着る場所完全に間違ったな……と少し後悔しながらポーズ取ってました」

完成したチェインメイルはリアルそのもの(ツイートのスクリーンショット)

 衣装だけでなく、剣や盾といった装備も身につけていたため、総重量はかなりのものに。ただでさえ自由に動きづらい雪の中ですから、歩く際にはカメラマンさんに介助されながら移動する、といった感じで「これで馬に乗ってた中世の人ハンパないなと思いました」と、昔の人に思いを馳せることもあったようです。

 参加したイベントでは、スタッフさんをはじめ、ほかの参加者さんからも注目を集めたというKEIさんのオルシュファン。チェインメイルの作り方を質問されたりもしたそうです。

 雪中でお披露目して以降、新型コロナウイルス禍でイベントの開催が難しくなったため、まだ人前では1度しか着用していないというKEIさん。せっかくの労作ですから、次のお披露目の機会が来ることを待ちたいと思います。その際には、体力作りも必要かもしれませんね。

<記事化協力>
KEIさん(@kei_star1)

(咲村珠樹)

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