ウルトラマンや仮面ライダーなど、多くの少年少女たちを虜にしてきた「特撮ヒーロー」。本稿をお読みの方も、それぞれの「推し」が存在するかと思います。
そんな中で、幼少期からの憧れから「スーツアクター」の夢を叶えた人物が、ヒーロー文化発展と自身の業界への恩返しをするために「特撮クラブ」を設立しました。
「特撮クラブではオリジナルデザインの特撮スーツを制作し、アクションショートムービーを制作することができます。
もちろん、既存のスーツで映像を制作することや、スーツのみの制作、戦闘員の貸し出しなど、ヒーロー産業に関するあらゆるご相談を受け付けております!」
約20秒の動画とともにTwitterに投稿したのは、「特撮クラブ」の代表・やまとさん。
動画では、ヒーローが敵役と対峙。激しい戦闘が繰り広げられています。一瞬のスキから必殺技を繰り出したヒーローに、敵役は炎に包まれながら爆発!と、ある意味で“お決まり”のシーンで締められています。
白と黒のゼブラ柄が特徴的なヒーローですが、実はこれ「特撮クラブ」のオリジナル。この動画は、「プロモーションムービー」として制作したものでした。
■ ヒーローショーが中止となったコロナ禍中に勉強
「私は幼少期から『特撮ヒーロー』に憧れており、夢を叶えるためにお芝居やアクションシーンを演じる『スーツアクター』になりました。しかし、先のコロナ禍の影響でヒーローショーなどの集客イベントはほぼ中止に追い込まれました」
「同時にかなりの時間の余裕が出来ました。その際、以前より抱いていた『自分でオリジナルの特撮映像を作ってみる』をやってみることにしたんです。まずは動画編集の勉強をはじめて、CG合成もある程度自分でこなせるまでになりました」
当時は、あくまでも「趣味」の範疇での楽しみだったというやまとさん。しかし、ある程度満足なクオリティになった時、こんなことを思うようになりました。
「『これを他の人のために役立ててみたい』と考えるようになりました。対人関係や仕事スキルなど、私は『特撮』で数多くの大切なことを学ばせてもらいました。なので、この技術で『自分だけのオリジナルヒーローを作れる場を提供しよう』という考えに行き着いたんです」
■ ヒーローのためのオールインワン「特撮クラブ」
これまで、様々な特撮ヒーローたちのスーツを着用し、戦い抜いてきたやまとさん。まさに百戦錬磨の手練れでありますが、だからこそ感じたのが「ハードル」の高さといいます。
「『ヒーローモノ』は人気コンテンツですが、同時に『趣味』として楽しむには様々な課題があります。『衣装造形』『お芝居』『殺陣』『アクション』『CG映像技術』など……正直個人ではかなり高いハードルです。それを全て提供しようという中で生まれたのが『特撮クラブ』なんです」
今回Twitterで紹介したように、デザイン含めたヒーロースーツ(着ぐるみ)の造形に、ショートムービーの撮影から編集まで一貫して行えるのが特撮クラブのウリ。さらに変身デバイスといった小物類にも対応可能です。やまとさんが業界で携わった数多くの経験が、活動における大きな強みとなっています。
SNSにおいては、2022年5月にTwitterアカウントを開設し活動内容では発信。直近では、東京都武蔵野市のご当地ヒーロー「蒼象神ザナ」の造形を手掛けるなどの実績も。
「特に男子であれば一度は憧れたであろう『ヒーローになりたい!』という願望を、我々が選択肢として提示することで、特撮ヒーロー文化のさらなる発展の一助になれたらと考えています。それにより、業界への『恩返し』にも繋がれば何よりです」
読者諸君!キミもヒーローになってみないかい?
<記事化協力>
特撮クラブ(@toku_club)
(向山純平)