焼き菓子の定番「クッキー」。自宅でも簡単に手作りでき、型を使って好きな形にアレンジできるところも魅力ですが、とてもユニークな手作りクッキーが、ツイッターで大きな注目を集めています。
それはなんと、歴史の教科書でもお馴染み「仁徳天皇陵の前方後円墳」型のクッキー。鍵穴のようなその形だけでなく、色や周濠部分までも完全再現されています。こりゃすごい……!
このクッキーの作者である漫画家の「水谷さるころ」さんは、「古墳にコーフン協会」の名誉会員に名を連ねるほどの古墳愛好家。
元々はパワースポット巡りが好きで、神社仏閣をよく訪れていたそうですが、旅行中に近くを通りかかった箸墓古墳に行ってみたところ、なんとも言えない歴史の重みや、形の美しさに魅力を感じて以来、すっかりお気に入りに。古墳グッズや古墳スイーツを購入する中で、「自分で作ったらいいのでは?」と思いつき、古墳クッキーを焼くようになったそうです。
はじめのうちは古墳の型抜きクッキーで満足していましたが、だんだんと理想の古墳クッキーが欲しくなり、今回のような濠のある形の古墳クッキーにチャレンジするように。周濠や古墳部分のクッキーは、生地に抹茶を配合することで青々とした木々の緑を表現しています。
墳丘を囲む濠の水は、水色のミントキャンディを溶かすことで再現。実はこの部分は過去に何度も失敗した箇所。砂糖に青色の食紅を混ぜる形で焼き上げを試みるも、蒸発したり、上手く隙間に入らなかったりと試行錯誤を繰り返したそう。今回3回目のチャレンジにて、ようやく理想の姿になったそうです。
古墳クッキーはその後、デイキャンプで家族や友人らに振る舞われたそうですが、抹茶+ミントという組み合わせは好みが分かれた模様。水谷さん自身も「クッキーを食べて口がスースーするのははじめての体験だったので、やっぱり他の味のほうがいいかな~と思いました」と、味の部分にはまだ改良の余地を残しているようです。
見た目も味も納得の行く古墳クッキーが作れるようになるまで、水谷さんのチャレンジはもう少し続くことになりそうですね。
ちなみに水谷さんの新刊「子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!」(幻冬舎)では、本文に古墳が出てこないにもかかわらず、背表紙に古墳を訪れる水谷さん家族の姿が……。こんなところにまで、しっかり古墳への愛情が盛り込まれています。
<記事化協力>
水谷さるころ/「子どもにキレちゃう夫をなんとかしたい!」発売中さん(@m_salucoro)
(山口弘剛)