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縄文時代から戦後の遺物まで 旧岩崎邸庭園芝庭復元工事の出土品を初公開


旧岩崎邸庭園から出土した縄文〜戦後の遺物を初公開

 東京の池之端にある旧岩崎邸庭園。三菱財閥創設者岩崎彌太郎の長男、岩崎久彌の邸宅として建てられた国指定の重要文化財ですが、2021年度に芝庭の復元工事が行われました。

 この時、敷地からは縄文時代から戦後の進駐軍接収時代の遺物が出土。東京都は2022年10月25日より、旧岩崎邸洋館2階で出土品の一般公開を行います。

 旧岩崎邸庭園は1896(明治29)年、三菱財閥創設者岩崎彌太郎の長男にして三菱第3代社長を務めた、岩崎久彌の邸宅として建てられました。当時の地名(下谷茅町)から「茅町本邸」と呼ばれ、ジョサイア・コンドルの設計による洋館と撞球室、明治期の名棟梁大河喜十郎による書院造の和館が現存しており、敷地全体が国の重要文化財に指定されています。

 敷地を管理する東京都では、1917(大正6)年に作られた「茅町本邸内実測図」をもとに、洋館の前に広がる芝庭を往時の姿に復元する工事を2021年度に実施。それにともない、表土をはがしての発掘調査も行われました。

 出土したのは縄文時代から戦後にいたるまで、この土地の歴史を物語る遺物。これらを初めて一般公開することとなりました。

 旧岩崎邸庭園の下に広がる不忍池は、縄文時代には東京湾の入り江だったところ。当時の土器破片(安行式土器)が遺構内から出土しました。

出土した縄文土器(安行式土器)

 また1945年の終戦後、ここは進駐軍により接収され、洋館はGHQの諜報機関「キャノン機関」の本部となりました。接収解除後の1952年、岩崎家から財産税の物納として国有財産となり、1970年まで最高裁判所司法修習所などとして活用されています。

 展示会では、出土したこの時代の遺物も展示。あわせて、旧岩崎邸庭園が位置する本郷台地の地形の変遷についての説明パネルも設置し、地形の歴史と人の歴史の両面から解説するとのこと。

 会場は旧岩崎邸庭園の洋館2階で、会期は2022年10月25日~11月6日の9時~17時(最終入園は16時30分)。見学料は無料ですが、別途入園料(一般400円/65歳以上200円/小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料)が必要です。

情報提供:東京都

(咲村珠樹)

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