日本画家の水島篤さんが題材としているのは「恐竜」。
「現代にはいない、けれど過去には存在した『生命』にロマンを感じ、岩絵具を使用した絵肌を用いて、『非日常空間』を演出しています」と語る作品は、「日本画×恐竜」というコラボレーションにより、生命の息吹の力強さを感じさせるものとなっています。
幼少期より、当時熱を上げていたバスケットボールとともに、趣味で漫画の絵を描いていたという水島さん。その後、大学進学を機に、美大を受験することを決意。2015年に東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻へ入学。在籍時には、花鳥風月をモチーフとした「爬虫類」を中心に絵を描いていたそうです。
そういった背景もあり、2019年の卒業後には、「ちょうど熱量も高かったんです」という「恐竜」をモチーフとした画家活動を開始します。
「恐竜」に対して、強いロマンを感じるという水島さん。同時に想像を膨らませる余地があることも、画家として惹きつけられる要素だといいます。
「恐竜たちの生前の姿を完全に把握することはほぼ不可能ですが、それは、『これからどのような姿で現れてくれるか』ということを創造する面白さでもあります」
描写としてのこだわりは、「絵」という平面の世界においても、まるで実在するかのような「生々しさ」を感じさせるため、線や形状はもちろん、「空間表現」にもこだわっているとのこと。
「想像だけでは限界がありますので、生物の持つ瑞々しい造形を参考もしくは拝借しています。色については、何方向から展開することによる『掛け算』で、より深い色味を表現しています」
水島さんの作品は自身のTwitterの他、全国各地の展示会にも出展されています。
直近では、6月20日から25日にかけ、東京にある「アートスペース羅針盤」にて、東京藝術大学の同期たちとグループ展を実施。また、6月1日~6日には銀座三越にて個展が行われていましたが、来年7月にも再び同会場にて個展の開催が決定しているとのことです。
<記事化協力>
水島 篤さん(@ats90922)
(向山純平)