小さな子どもにとって、少しハードルが高い「夜中のトイレ」。暗い場所を歩くのは、住み慣れた家の中と言えども怖いようです。そんな子どもの悩みを解決する、画期的なアイテムがツイッターで話題になっています。
その名も「歩くベッドサイドランプ」。寝室で優しく光る立方体のランプに複数の脚が付いて、歩行型ロボットに変身。一緒についてきてもらえば、夜中のトイレもへっちゃらです。
作品を制作したのは、ツイッターユーザーのlaniusさん。普段はIT企業でエンジニアとして勤務している二児の父で、過去にも「歩くおもちゃ箱」「歩く踏み台」など、子どもたちとの日々の生活を豊かにする、多脚の作品を制作しています。
今回ベッドサイドランプに着目した理由は、「もし普段動かないランプが動いたら、人が必要な場所に必要なだけの明かりを提供してくれるし、それだけでなく、暗い中を同伴して歩いてくれる頼もしいパートナーとして『安心感』に寄与できるのではないか、と思いついたから」とのこと。
投稿された動画には、laniusさんのお子さんたちが、「歩くベッドサイドランプ」と共に暗い廊下を歩く様子が映っています。次女さんはちょっとだけびっくりしたのか背を向けて歩いていってしまいましたが、長女さんは足取りも軽く、ご機嫌な様子。座り込んで話しかけている姿も見られます。
その様子はまるでロボットに命が吹き込まれているかのよう。laniusさんは制作のテーマに「ロボットでありながら『心がある』と感じられるような人工物」を掲げており、それは単に生活を便利にするロボットではなく、日常を共にする頼もしい味方、であるように感じます。
また、過去作品と同様に、今作も脚を付ける以外は、元の造形から大きく外見を変化させていません。これは「動く家具・家電」として、もともと持っている形や機能を活かして、なるべく最小限の工夫で、生活に役立つシーンがイメージできるものを作ることにしている、というlaniusさんのこだわりによるもの。
慣れない「ロボット」を新たに導入するのではなく、日常の中にすでにあるものが気を利かせてくれることで生活が豊かになるほうが、使い続けるハードルが低いのではないかという狙いの通り、すっかり毎日の暮らしに溶け込んでいることがうかがえます。
蜘蛛のような多脚のロボットは、初めて見る方はギョッとしてしまうかもしれませんが、過去制作したロボットたちも同様であることから、すっかり子どもたちも慣れ親しんでおり、怖がらずかわいがっているとのこと。
ロボットはまだ実験中であるため、普段使いしているわけではないそうですが、暗い廊下を照らしてくれる新しい仲間を、子どもたちはきっと心強いと感じていることでしょう。
<記事化協力>
laniusさん(@lanius)
(山口弘剛)