2両以上の機関車が列車を牽引する「重連」。機関車の連結方法は色々ありますが、愛知県を中心に路線が広がる名古屋鉄道(名鉄)で使われているのが、編成の最前部と最後部に連結するプッシュプル方式です。
プラレールを始めて間もないという男の子が、2車体連結が標準となっている赤い電気機関車のモデルを使い、名鉄式のプッシュプル重連を再現する姿がTwitterに投稿されました。名鉄ファンとして、将来有望かも?
名鉄方式の重連編成を再現して遊んでいるのは、Twitterユーザー「いかわさん」の息子さん。「ちょっと前に近所のお兄ちゃんがプラレールを卒業して、お下がりで分けてもらったのがきっかけです」とのことで、自分で集め始めたばかりなんだとか。
小さい頃から鉄道好きのお父さんに似たのか、親子で乗り鉄をするのが大好きという息子さん。お家にいる時間は、YouTubeで鉄道の映像を見ているそうです。
YouTubeには、世界中の鉄道ファンから様々な映像がアップされています。その中でも「貨物列車に興味が出てきたようで、夜中に資材を運ぶ機関車に興味を持ったようです」とお父さん。
特に「名鉄さんの、貨車を挟んで前と後ろに機関車がつながっているのが不思議で、面白く思ったようです」とのことで、手持ちのプラレールで再現しようと思ったようす。
名鉄は貨物営業をすでに廃止していますが、保線などの業務用列車や電車の回送用に電気機関車を保有しています。戦前から使われ続け、老朽化した各形式の電気機関車を置き換えたのが、2015年から運用が始まったEL120形。電車と同じく、スカーレットレッドに塗装されています。
息子さんは持っているプラレールの中で、赤い機関車を見つけました。JR貨物が誇るハイパワーの交直両用電気機関車、EH800形です。
EH800形は強大な牽引力と軸重増加の抑制、そして曲線での通過性能を確保するため、2車体を永久固定連結した状態で1両となる大型機関車。赤いボディに白と銀のラインが入っており、ちょうど名鉄EL120形に似たデザインです。
本物のEH800形は分割できない仕様ですが、プラレール版は共通の「のせかえシャーシ」を採用していて分割できるため、前後車体の間にタンク貨車を挟みました。赤い機関車による「名鉄式」プッシュプル編成の完成です。
プッシュプル方式は編成の前後端に機関車を連結するので、進行方向が変わっても機関車を付け換える必要がないのが特徴。フランスの高速列車TGVでも使われていますが、名鉄では行きと帰りで機関車を付け換える手間を省くために採用しているとみられます。
まだ幼いながらも、プラレールで名鉄のプッシュプル編成を再現しようとする息子さんは、このまま名鉄愛を高めていくのでしょうか?それとも鉄道模型か乗り鉄?どちらにしても、将来有望な鉄道ファンに成長しそうです。
<記事化協力>
いかわさん(@katsu0063)
(咲村珠樹)