2016年12月〜2017年2月に山種美術館で開催された「日本画の教科書 京都編 – 栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ – 」以来の、約4年ぶりのお目見得であります。
渋谷駅東口から、平日日中でも6分ごとに出発する高頻度路線・学バス03系統「日赤医療センター前行き」に乗り、約6分乗車して「東4丁目」を下車。そこから徒歩で2分ほどの場所にある「山種美術館」にて、9月19日から11月15日までの会期(本日9月23日と、月曜日は休館)で「【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス」が開催中です。
何をおいても取りあえず猫から目に入ってしまう猫ジャーナル視点での注目点は、併設展示の作品を含めた60作品余りの動物画のなかでも、燦然と輝く猫の絵であります。
本展にて出会える猫の名画は、特別展のタイトルにもなっている、重要文化財に指定された竹内栖鳳の手になる大正13(1924)年の作品「班猫」。そして小林古径の昭和21(1946)年の作品「猫」。
さらに、この他に川合玉堂の「猫」(1951(昭和26)年ごろ)と、奥村土牛の「シャム猫」(昭和49(1974)年)、合計で4匹の美しく麗しい猫に出会えるのであります。
静岡県の沼津で偶然出会った猫に魅せられた栖鳳は、この猫を丹念に観察、写生して本作品を完成させました。猫のしなやかな動きや鋭い視線、柔らかな毛を巧みな筆遣いで描き出した《班猫》は、当館のコレクションのなかで最も人気を集める作品のひとつです。山種美術館 プレスリリース「【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス
併設展示:ローマ教皇献呈画守屋多々志《西教伝来絵巻》試作特別公開」より
繊細な筆致で描かれた毛先、猫背の丸みと、少し痩せた猫を的確に捉えた骨格の表現、白い毛並みとまだら模様との境界のグラーデションなど、スマホの画面からでさえも伝わってくるのは、猫へ向けられた栖鳳の観察眼と眼差しの鋭さ。
実際に猫の絵を目にしたときには、時代を超えて伝わる猫の美しさに思いを馳せること請け合いであります。
猫と暮らす皆さまにとっての正しい段取りは、4匹の猫の絵を順繰りに見て、猫以外の動物の絵を見てから再び猫の絵に戻って感嘆し、猫の姿を目に焼き付けて自宅に帰ったら、我が家の猫の姿を見て「やっぱりうちの猫はかわいい」と愛でるところまでがゴールといえるでしょうか。
入館料は一般が1300円、大学生・高校生が1000円、中学生以下は無料です。また、新型コロナウイルスの感染防止策を実施するほか、あらかじめ日時を指定して購入すると待ち時間なしで入館できる「入館日時のオンライン予約」が可能です。
スムーズに美術展を堪能したあとは、個人的には、無料で入れるお隣の國學院大學博物館と、氷川神社での散策もオススメです。
[【特別展】竹内栖鳳《班猫》とアニマルパラダイス 併設展示:ローマ教皇献呈画 守屋多々志《西教伝来絵巻》試作 特別公開/山種美術館プレスリリース]
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